大行列のアトラクション前
日差しが照りつける五月の日曜日、午後三時前のテーマパークのアトラクション列でのことだ。周囲は家族連れやカップルで非常に賑わっており、私たちが並ぶ最新のコースターは「百五十分待ち」という絶望的なプラカードが掲げられていた。列は折り返しが多く、周囲の視線から隠れる場所は一切ない。最初の異変は、並び始めてから一時間が経過した頃だった。
下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意の第一波が走った。並ぶ前に飲んだ冷たい炭酸飲料が、初夏の冷房の風で急激に冷やされた私の膀胱を刺激し始めたのだ。「ここまで並んだのだから、今さら列を抜けたくない」という同行者への遠慮と、アトラクションへの期待が私の決断を鈍らせ、それが地獄の始まりだた。
私はその日、フェミニンな白いレースのトップスに、タイトなイエローの膝丈スカート、そして素足に白いフラットサンダルを履いていた。髪はハーフアップに可愛らしくまとめていたが、尿意の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗で額の生え際が濡れ、前髪がベタりと額に貼り付いていた。丁寧に仕上げたメイクは冷や汗で流れ落ち、頬のチークが不自然に浮き上がっているのが自分でもわかった。下腹部に走る激しい刺激のたびに、私は思わず「ひっ……」と声を漏らしそうになり、唇を強く噛み締めて耐えた。
タイトスカートの中で両膝をぴったりとくっつけ、内ももをこれでもかと強く密着させて耐える。しかし、尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は決壊寸前の水風船のように膨らみ、下腹部全体が引き裂かれるように痛む。「あと三十分、あと二つ折り返せば……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返すが、列が進むたびに一歩を踏み出すのが激痛で困難になり、心臓がバクバクと激しく脈打った。
恥ずかしさと、この大衆の面前で今にも粗相をしてしまうのではないかという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。
ようやく列を離脱してトイレへ向かったが、歩く振動で尿道が限界を迎え、その場で全身をビクンと強張らせてしゃがみ込んでしまった。両手で股間を強く押さえ、涙目で顔を歪めながら、何とか女子トイレの個室に駆け込んだ。便座に座り、温かい水分が勢いよく放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感。今でもテーマパークの行列を見るたび、あの時の冷や汗の冷たさと、股の奥がすくむような恐怖が鮮明によみがえる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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