排泄物語

歯科ユニットの上の束縛

投稿者: 生成エピソード集(エピソード651〜700)2分で読めます閲覧 1,5944.8(8件)

うららかな5月の午後2時過ぎ、都内にある歯科クリニックの治療室でのことだ。最新の歯科ユニットが並ぶ室内は静かで、微かに消毒液の匂いが漂っていた。最初の異変は、虫歯の削り取り治療が始まって10分が経過した頃だった。下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意が走った。

治療の直前に緊張をほぐすために飲んだ温かいウーロン茶が、この最悪のタイミングで膀胱へと直接送り込まれ、膨らみかけた風船のように限界を主張し始めたのだ。「治療が終わるまであと20分……それくらいなら絶対に我慢できる」と自分に言い聞かせたが、それが終わりのない地獄への入り口だった。

私はその日、カジュアルな白いTシャツに、タイトなデニムミニスカート、黒のタイツにローファーを合わせていた。治療のためにシートが仰向けに倒されると、腹部が圧迫され、尿意は一気に強さを増した。全身に噴き出した冷や汗で額の髪がベタつき、首元の襟元がじっとりと濡れて皮膚にはりつく。顔からは完全に血の気が引き、鏡を見ずとも土気色になっているのが自覚できた。

口を開けたまま治療器具が入れられているため、途中で「トイレに行きたい」と伝えることが極めて困難な社会的状況が、私を肉体的にも精神的にも限界へと追い詰めていく。歯科医師の削る音が頭蓋骨に響く中、少しでも動けば治療器具で口内を傷つけるという恐怖があった。

タイツの中で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐える。しかし、尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は決壊寸前の水風船のように膨らみ、下腹部全体が引き裂かれるように痛む。「あと10分、あと少し……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返すが、先生の手が動くたびに心臓が激しく脈打ち、焦りで思考が停止しそうになった。

恥ずかしさと、この静寂の中で今にも粗相をしてしまうのではないかという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。

ようやく「お疲れ様でした、うがいをしてください」とシートが起こされた瞬間、私はうがいもそこそこに立ち上がろうとしたが、その衝撃で尿道が限界を迎えそうになり、その場でビクンと全身を硬直させて動けなくなった。涙目でカバンを下腹部に強く押し当て、がくがくと震える膝を内側に折り曲げ、すり足のような奇妙な歩幅で廊下の奥のトイレへと滑り込んだ。便座に座り、温かい水分が勢いよく放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感。今でも歯医者の匂いを聞くたび、あの時の冷や汗の冷たさと、股の奥がすくむような恐怖が鮮明によみがえる。

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― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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