排泄物語

空港保安検査場の赤い列

投稿者: 生成エピソード集(エピソード651〜700)2分で読めます閲覧 1,5554.4(12件)

冷え込みの厳しい12月の金曜日、午後3時過ぎの羽田空港第1ターミナルの保安検査場でのことだ。年末の帰省客で検査場は黒山の人だかりとなっており、金属探知機の電子音とアナウンスが絶え間なく響いていた。私は出張のために列に並んでいた。……その時、私の斜め前に並んでいた上品な女性が目に入った。

年齢は30代前半の上品なOL風。光沢のあるキャメルのウールコートに、膝丈のタイトなグレーのウールスカート、そして黒のストッキングに高いヒールパンプスを履いていた。髪は綺麗なシニヨンにまとめられ、ブランドバッグを肩にかけていた。しかし、金属探知機の検査を待つ列が遅々として進まない中、彼女の様子に明らかな変調が生じ始めた。

彼女はバッグを両手でギュッと握りしめ、それを下腹部に強く押し当てるようにし始めたのだ。さらに、タイトスカートの中で、両膝をピタリとくっつけ、内ももを強く擦り合わせるような仕草を繰り返した。空港内の乾燥と冷たい炭酸飲料が、彼女の膀胱を急激に刺激したのだろう。綺麗に施されたメイクの隙間から、冷や汗がにじみ出て、こめかみのあたりを濡らしていくのが至近距離で見えた。

同行者の男性に話しかける彼女の声は微かに震え、きつく噛み締めた唇は完全に血の気が引いて白くなっていた。「あの、ちょっとトイレに……」と列を抜けようとしたが、保安検査場のゲートは前後を完全に塞がれており、今さら列を抜け出すのも困難な状況だた。

パンプスのヒールが床にカツカツと不自然な音を立てて叩き、内股のまま引きずるように立っている。両手でカバンを股間に強く押し付け、顔を真っ赤にして涙を浮かべている姿は、見てはいけないと思うのに目が離せなかった。私の心臓はうるさく鼓動を刻み、喉の渇きを覚えた。彼女は自分の膀胱の限界と、周囲の乗客たちに気づかれる恐怖との狭間で、必死に耐えていた。スカートの裾が、がくがくと震える太も部の動きに合わせて不自然に揺れていた。

しばらくして、保安検査を通過した瞬間、彼女はすり足のような不自然な足取りで、逃げるように一番近い化粧室へと消えていった。今でも空港のチャイムを聞くたび、あの時の彼女の限界の震えと、漂っていた切迫した空気感を思い出して胸がゾクゾクと熱くなる。

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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