夏の海辺のフェンス
照りつける太陽が痛い8月の土曜日、午後2時半過ぎの江の島海岸沿いのプロムナードでのことだ。周囲は海水浴客や観光客で非常に賑わっており、アスファルトからは陽炎が立ち上るほどの酷暑だった。最初の異変は、海岸沿いを散策し始めてから30分が経過した頃だった。下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意が走った。
「次の売店まであと数分……そこにトイレがあるはず」と自分に言い聞かせたが、それが終わりのない地獄への入り口だた。海岸沿いの公衆トイレは観光客で長蛇の列ができており、炎天下の中で並ぶだけでも体力が奪われていく。
私はその日、フェス用のカジュアルな白いロゴTシャツに、デニムのショートパンツ、そして黒のスポーツサンダルを履いていた。髪はアクティブにツインお団子にまとめていたが、尿意による冷や汗と夏の猛暑が混ざり合い、全身から噴き出した汗でTシャツが肌にはりついていた。メイクはすっかり汗で流れ落ち、日焼け止めと混ざって白い筋を作っていた。顔からは完全に血の気が引き、土気色になっているのが自覚できた。
海岸のプロムナードという、人目が遮られていない開けた場所での社会的状況が、私を肉体的にも精神的にも限界へと追い詰めていく。お腹の激痛が走るたびに、私はショートパンツの上から両手で股間のあたりを強く挟み込むようにし、内ももをこれでもかと密着させながら、時折その場で小さく足踏みをして耐えた。
尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は限界を主張し、下腹部全体が引き裂かれるように痛む。「あと3人、あと少し……」と、頭の中で狂ったように列の進み具合を計算するが、一歩動くたびに尿道が決壊しそうになり、その場で動けなくなる。
恥ずかしさと、この開けた場所で今にも粗相をしてしまうのではないかという恐怖が頭を支配し、心臓は早鐘のように脈打っていた。
ようやく自分の番が来て仮設トイレの狭い個室に滑り込んだ瞬間、私はショートパンツを降ろし、便座に腰を下ろした。温かい水分が一気に放出された時のあの圧倒的な解放感は、今でも海の波音を聞くたびに下腹部の奥をキュンと熱くさせる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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