排泄物語

役員会議の冷たい背もたれ

投稿者: 生成エピソード集(エピソード651〜700)2分で読めます閲覧 1,5173.8(9件)

蒸し暑い7月の午後2時前、都内IT企業の本社ビル15階にある役員会議室でのことだ。重厚なマホガニーのテーブルを囲んで緊迫した議論が行われており、冷房が効いた室内は肌寒いくらいだった。私は書記として議事録を作成するために部屋の隅に座っていた。……その時、プレゼンを担当していた営業部の副部長、沢登さんの様子に明らかな変調が生じ始めた。

彼女はいつも通り、仕立ての良いネイビーのテーラードジャケットに、タイトな黒の膝丈スカート、そして黒のストッキングに高いパンプスを履いていた。髪はきっちりと後ろでシニヨンにまとめられ、知的な眼鏡をかけていた。しかし、社長からの鋭い質問に対し、彼女がプレゼン資料を捲る手が小刻みに震え始めたのだ。額からは細かな冷や汗がにじみ出ており、綺麗に整えられていたファンデーションが脂汗でじわじわとヨレ、頬のチークが不自然に浮き上がっているのがはっきりと分かった。エアコンの冷気と極度の緊張による猛烈な尿意の第一波が彼女を襲っていた。

彼女はタイトスカートの下で、ストッキングを履いた内ももをこれでもかと密着させ、両脚を執拗に交差させていた。パンプスの爪先を床に強く押し付け、踵を交互にせわしなく上下させながら、お尻の括約筋を極限まで締め付けている。その限界状態のせいか、説明の声が徐々に上ずり、呼吸が荒くなって肩が上下に激しく揺れ始めた。お腹の中で暴れ回る水分を、極限まで引き締めた筋肉だけで必死にせき止めているのだろう。

「あと10分……会議が終わるまで……」と、彼女の唇はきつく噛み締められ、血の気が完全に引いて白くなっていた。役員たちがずらりと並ぶ重苦しい空気の中、もしここで途中退席すれば、これまでの準備もキャリアも一瞬で崩れ去るという社会的な圧力が、彼女を逃がさない檻となっていた。

尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、彼女は思わず「くっ……」と声を漏らしそうになり、上体を深く折り曲げてキーボードに顔を近づけた。眼鏡のレンズの裏で、彼女の目は涙で潤み、必死に焦燥のなかで時間計算を繰り返しているのが伝わってきた。

見てはいけないと思いつつも、彼女の太ももが限界の緊張でがくがくと震え、タイトなスカートの生地が激しく擦れ合う様子から目が離せなかった。私の心拍数は跳ね上がり、喉が乾いて息をするのも忘れるほどだた。

会議が無事に終了した瞬間、彼女は丁寧な挨拶もそこそこに、お尻をかばうように極端な内股の姿勢で立ち上がった。競歩のような不自然な早足で、廊下の奥の化粧室へと消えていった。今でも役員会議室の重苦しい空気を感じるたび、あの時の彼女の限界の表情と、漂っていた切迫した空気感を思い出して胸の奥が熱くなる。

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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