排泄物語

ブナの原生林に響く足音

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霧雨が降りしきる10月中旬の土曜日、午前11時半過ぎの標高1200メートル付近の登山道でのことだ。周囲は深いブナ林に囲まれ、気温は10度以下まで冷え込んでいた。最初の異変は、急な登り坂を終えて小休止を挟んだ直後のことだった。下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意の第一波が走った。

山頂の山小屋トイレまであと2キロ、歩けば1時間はかかる状況だった。さらに霧雨による冷えと、朝食に急いで食べた温かいスープが、この最悪のタイミングで私の膀胱を襲い、逃げ場のない尿意へと変化したのだ。

私はその日、防水のジップアップマウンテンパーカーに、タイトな黒の登山用ストレッチパンツ、そして重いトレッキングシューズを履いていた。髪は後ろでポニーテールにまとめていたが、尿意による冷や汗と霧雨が混ざり合い、全身から噴き出した汗でパーカーの下のインナーが肌にはりついていた。メイクはすっかり汗と雨で流れ落ち、顔面は完全に土気色になり、きつく噛み締めた唇からは赤みが消えて白くなっていた。

山の中という、人目が遮られているようで実際にはいつ登山客が来るか分からない社会的状況が、私を肉体的にも精神的にも限界へと追い詰めていく。お腹の激痛が走るたびに、私はストレッチパンツの上から両手で股間のあたりを強く挟み込むようにし、内ももをこれでもかと密着させながら、時折その場で小さく足踏みをして耐えた。

尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、下腹部をギシギシと収縮させた。お腹の張り裂けそうな激痛が静かな森の中に響かないかという恐怖が頭を支配し、心臓は早鐘のように脈打っていた。「あと少し、次の分岐まで……」と、頭の中で狂ったように残り時間を計算するが、一歩動くたびにお尻と尿道の奥の門が決壊しそうになり、その場で動けなくなる。

恥ずかしさと、この開けた場所で今にも決壊してしまいそうだという恐怖が頭を支配し、喉がカラカラに渇いた。

ようやく山小屋の仮設トイレに滑り込んだ瞬間、私はパンツを降ろし、便座に腰を下ろした。温かい水分が一気に流れ出た時のあの圧倒的な解放感は、今でも冷たい雨の匂いを嗅ぐたびに下腹部の奥をキュンと熱くさせる。

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