排泄物語

終演後のトイレ戦争で、前に並んでた子が間に合わなかった

投稿者: 推し色ペンライト1分で読めます閲覧 1,9083.2(11件)

書くか迷ったんですけど、あの子の名誉のためにも「誰でもああなる」って伝えたくて書きます。先々月のライブ終演後の話です。2時間半公演+アンコール、その間みんなトイレ我慢してるので、終演後の女子トイレは毎回戦争になります。本当に。もう修羅場。

あの日の待機列は目測40人。わたしの前に並んでたのは20代前半くらいの、ネイルもメイクも完璧なギャルっぽい子でした。髪はハイライト入った長髪で、スマホケースはブランド物。ミニスカートとニーハイで、推し色のペンライトを首から下げてた。最高に可愛い子だったんですよ。

彼女、並んだ時点でもう小刻みに揺れてたんです。ペンライトを握る手に力が入ってるのが見えた。列が進むにつれて揺れが大きくなって、内ももをぎゅっと合わせる動きが始まった。あと5人ってところで、あと4人、あと3人って数えてて。ほんとに間に合いそうにない顔になってた。

あと3人ってところで急に動きが止まりました。静かに、ほんとに静かに、足元にぽたぽたって音がして。会場…じゃない、開場でもない、館内のトイレの床に、水たまりが広がっていきました。じわじわ。止まらない。ほんの数秒で直径30センチくらい。

彼女は無言で固まってて、周りも一瞬凍ったんですけど、次の瞬間、後ろにいたお姉さんがさっとストールを彼女の腰に巻いて、別の人が清掃さん呼びに走って、列の全員が「見てない」モードに入りました。オタクの連帯、こういう時に発動するんですよ。彼女はストールのお姉さんと一緒に多目的の方へ移動していきました。優しかった。本当に。

責める人は一人もいませんでした。だって全員、紙一重だったから。あと1分遅かったら多分みんなそうなってた。あの列にいた40人全員が、その子の気持ちをわかってた。

主催の皆さん、女子トイレの増設、本当に本当にお願いします。あの子のために。何千何万のオタクのために。

― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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