排泄物語

始発待ちのロータリーで見た、限界OLの決断

投稿者: 始発待ちのカラス1分で読めます閲覧 3,2743.4(10件)

クラブ帰りの朝4時半。渋谷から一本外れた駅のロータリー。始発待ちのベンチでだらだらスマホいじってたら、向かいの植え込みの前でスーツっぽい女の人がうろうろしてた。30前後かな。髪はアップにまとめて、スーツは紺色。化粧は朝から崩れて、ファンデーションもよれてた。

飲み明かした帰りって感じ。電話で「無理、もう無理、タクシーもいない」って半泣き。声が震えてた。で、あたりをキョロキョロ見回して、植え込みの陰にすっと消えた。その決断力。限界を知ってる人間の動きだ。

数秒後、静かな朝のロータリーに響く水音。けっこう長かった。30秒近く。その音から察するものがある。本当に限界だったんだな。止めるわけにもいかん。出てくるまで待った。本人も待つしかない。

出てきた時の顔、なんかスッキリしてて、ちょっと笑えた。本人もそんな表情。絶望と解放。両方の顔。サイテーなのはおれかもしれない。見て見ぬふりして、ずっと聞いてたわけだから。でも別の見方をすれば、見守ってた。黙認した。大人のそういうの。

始発が来て、その人はホームの反対側。何事もなかった顔でスマホ見てた。完璧に回復してた。あの30分で人は変わる。大人の朝。そんなもん。

― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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