氷点下のシュラフで膀胱と交わした深夜の交渉記録、全記録
予告してた「冬キャンで膀胱が限界を迎えた話」です。※汚い話ではないですが情けない話です。
1月、標高800mのキャンプ場。夜間の気温はマイナス5度、風はないけど空気そのものが刃物みたいに冷たい夜でした。焚き火を囲んでソロキャンプ飯を済ませ、寝る前に湯たんぽ代わりのお湯を作って、ついでにコーヒーを2杯飲んだのが全ての間違いでした。テントに戻って21時には就寝、快適な入眠でした。深夜2時、尿意で覚醒。
ここからが本題です。シュラフの中はぬくぬくの天国、外は氷点下の地獄。テントの外に一歩出れば無音の闇と自分の吐く息だけ。トイレまでは徒歩3分、でもその3分がとてつもなく遠い。まだ大丈夫、と自分に言い聞かせてもう一度目を閉じました。
人間、この条件だと本気で「朝まで我慢できるのでは?」という不可能な計画を立て始めます。まず寝返りでごまかす作戦、次に下腹に手を当てて祈る作戦、それでもダメなら気を逸らすために動画を見る作戦。どれも焼け石に水でした。
2時15分、寝返りでごまかす。2時40分、ごまかせないことが判明。下腹の奥できゅっと締まる感覚が波状に来て、間隔がどんどん短くなる。最初の波が引いた直後の安堵もつかの間、次の波は明らかに強さが増しています。3時、膀胱との交渉決裂。頭の中で「あと5分」「あと3分」の自己契約を繰り返しては破っていく。シュラフのジッパーを握る手が震えていました。
もう限界ギリギリでシュラフから転がり出て、ダウンを羽織って猛ダッシュしました。素足に突っ込んだブーツの冷たさすら感じる余裕がない。息は白く、月明かりだけを頼りに雪の残る地面を踏みしめて走りました。トイレに駆け込んだ時には正直、最初の数滴は間に合ってたか自信がないです。心臓はキャンプの中で一番激しく動いてたと思います。
戻ってから炊き火の残り火を見つめて、寝る前の水分は18時までと心に刻みました。焚き火の熱がじんわり顔に伝わって、ようやく人心地がついた瞬間でした。装備をどれだけ揃えても、膀胱だけはウルトラライト化できません。テント泊の玄人を気取っていた自分が、あの3分間だけは完全に初心者に戻っていたと思います。以上、氷点下の敗北レポでした。次回はポータブルトイレの導入を真剣に検討します。コメント欄で「あるある」と言ってくれた同志たちには感謝しかありません。それでは、また次のキャンプで。
― この話は、これにて ―
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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