北海道行き深夜フェリー、大浴場前で膝をついた女性を見た夜
毎年夏は北海道へ渡る。新潟発小樽行きのフェリー、あれは走り屋の甲板付き宿だ。昼行きより安いし、景色も悪くない。事件は去年の便で起きた。
出航前、乗船口の待合所で海鮮丼と生ビールのセットを流し込んだのが、後から思えば全ての伏線だった。エビもカニも新鮮。生ビールで喉潤す。ああ、北海道だ。その雰囲気に酔った。出航して3時間、23時ごろ。俺は大浴場で汗を流し、廊下の自販機で水を買っていた。
そこへ、同じ乗船口で見かけた若い女性(20代半ば、パーカーにハーフパンツ姿、茶色く染めた髪を無造作にまとめていた)が、妙な歩き方で通りかかった。歩幅が異常に狭い。額に脂汗が浮き、片手をそっと腹に添えている。あれは膀胱ではない、腸だ。長年のツーリングで培った目がそう告げた。フェリーの船酔いと、海鮮の重さの組み合わせ。あの歩き方は見たことある。
彼女は大浴場入口脇の女子トイレへ向かった。だが無情にも「清掃中」の立て看板。彼女はその場で膝から崩れそうになり、壁に手をついた。うめき声が廊下に漏れた。次のトイレは階段を上がった2デッキ上だ。あそこまで約2分。けどその2分が地獄だ。彼女の脚が内側に寄り、もじつくのが見えて、こちらまで息が詰まった。
船体の微かな揺れが、彼女の顔を余計に青くしていくのが分かった。フェリーの揺れ。それは容赦がない。彼女の足が踏み出す度に、小さく体が揺れる。自分で制御できない揺れ。それが最悪なんだ。
俺は思わず「エレベーターの方が早いぞ、その角だ」と声をかけていた。彼女は言葉も返さず、カーヴを曲がる寸前のような前傾姿勢でエレベーターへ消えた。扉が閉まる直前、彼女が小さく身をよじったのが見えた。間に合ったかどうかは知らん。船の中の出来事だからな。
だが翌朝、小樽の下船待機列で目が合った彼女は、深々と頭を下げてきた。安堵と気まずさの混じった顔だった。間に合ったのだろう。フェリーの飯は美味いが、乗船前の海鮮丼と生ビールには気をつけることだ。あの夜の廊下の静けさは、今でも妙に耳に残っている。次の乗船では俺も控えめにしておくつもりだ。下船後、彼女は連れの友人たちに何も気づかれた様子もなく、笑いながら車に乗り込んでいった。それでいいと思う。誰も知らない。それが最高だ。
― この話は、これにて ―
この話を評価する
平均 4.3(9件)
※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
この話の続きは映像で——実写の脱糞・スカトロ作品を価格比較

プライベートプレイ GOLD VOL.44 大量黄金完全完食44
最安 6,280円〜

完食に至る病 どうして人間は人間のウンコを食べるのか?126
最安 2,980円〜

崩れるア〇ル 止まらない限界突破のひねり出る大脱糞
最安 2,750円〜
価格比較・レビューは姉妹サイトScatSearchで(PR・アフィリエイトリンクを含みます)
「峠の自販機」の他の話
50歳、深夜の峠道で見た女性ライダーの決断の一部始終
白状する。去年の11月、俺は深夜の峠道でとんでもないものを見た。その日は仕事のもやもやを晴らすため、22時から夜の峠へバイクで出た。気温は一桁、革ジャケットの中まで冷気が染みてくる夜だった。 峠の中腹、カーヴが連続する区間の展望駐車場で、先…
夜明けの展望台駐車場、ガードレールの向こうの婦人を見た朝
10月の連休だった。夜明けの峠を攻めるため、4時に家を出た。夜間走行3時間。目的の展望台駐車場に着いたのは5時40分。空気は白く、吐く息が朝もやに溶けていくのが分かるほど冷えていた。エンジンを切ると、山特有の静寂が耳に痛いほど響いた。 先客…
関連する話
学会前泊の夜行バスで計算が全部狂った
大学院でTAをしている。昨年、地方の学会に自費参加した際、節約のため夜行バスを選んだ。これが失敗だった。事実関係を整理する。 (1)出発前、駅の立ち食いそばと緑茶500ml。(2)バスは4列シート、トイレなし、休憩は3時間ごと。(3)乗車1…
彼女が旅行先の渋滞で「もうダメ」と泣いた話【本人許可済】
去年のGW、彼女(25)と伊豆へドライブ旅行に行った帰りの話。夕方の東名が事故渋滞で完全に止まった。カーナビには「渋滞18km、通過に約90分」と非情な表示が出ていた。 彼女は昼に食べた海鮮丼と一緒に冷茶をがぶ飲みしていて、渋滞にハマって3…
お盆の高速三十キロ渋滞、路肩の茂みへ下りた私を責めないでください
お盆の帰省ラッシュの中央道、三十キロ渋滞の只中でのことでございます。渋滞にはまる前、談合坂のサービスエリアに寄るつもりが、駐車場入口まで大行列で断念いたしました。それが運の尽き。車列は一時間で三キロしか進みません。カーナビの渋滞情報が真っ赤…
正月明けの乗合船で、隣の若いのが青い顔になった半日
正月明けに乗合船でアジを釣りに出た時の話だ。隣の釣り座が20代の若いで、初めての沖釣りだと言うとった。朝からえらく気合の入った様子で、竿もクーラーボックスも真新しいもんだった。正月気分で、かなり食べ込んで来たような様子も見て取れた。 出船し…