巡回日誌・部室棟裏にて座り込む女子学生を発見した件
大学の夜間警備員を務めて7年になる。以下、昨年10月の巡回記録より。23時40分、部室棟東側の順回中、建物裏手の植え込み付近に人影を発見。当校の部室棟は23時完全施錠のため、不審者の可能性を考慮し、懐中電灯を消して静かに接近した。夜の冷気が肌を刺す季節でした。
距離10mの地点で状況を把握。人影は女子学生(後の聞き取りで21歳、フットサルサークル所属と判明。ショートカットで活発そうな印象の学生であった)であり、植え込みに向かってしゃがみ込んでいた。当初は急病を疑ったが、事態を了解した。部室棟の施錠後、最寄りの開放トイレは400m先の図書館脇のみである。実に不幸な時間に不幸な生理現象が重なったのでしょう。
学生には気の毒だが、限界だったのだろう。肩が強張り、片手を地面につきながら耐えている様子であった。時折漏れる小さな声は、我慢と羞恥が入り混じったもののように聞こえた。その呼吸は乱れ、肩は時折ぶるぶると震え、全身でこの瞬間と格闘していました。背中の曲がり方が、その苦悩を物語ってました。
その時点で僕は複数の判断肢を持っていました。声をかけるか、そっと退くか、通報するか。声をかけるべきか3秒迷い、本人の尊厳を優先して私は物陰に退いた。懐中電灯の光さえも、その時は彼女に対する暴力だと感じました。その数秒間、僕の心臓も彼女のそれと同じペースで鼓動しました。
5分後、学生は何事もなかったように立ち去った。歩き方には多少の乱れが見られた。脚が不安定に見え、何度か立ち止まる素振りも見られました。現場を確認したところ、処理は不完全であった。翌朝、清掃員に匿名の連絡を入れ、対応を依頼した。あの夜の懐中電灯の光を消した瞬間の静けさは、今も記憶に残っている。息を潜めていた数分間、こちらの心拍も普段より速かったことを記す。
本件を受け、部室棟トイレの施錠時間を0時に延長するよう大学に上申。翌月より実現した。警備員にできるのはこの程度である。学生たちの尊厳を守るために、こちらができることは限られているが、それでも小さな改善を積み重ねていくほかない。以上、発見の記録。
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