春の夜桜見物と仮設便所の長い大列
桜が満開の4月の夜8時頃、都内 of 川沿いの遊歩道でのことだ。気温は12度まで下がり、花見客用のライトアップされた夜桜の美しさに多くの人が足を止めていた。私は温かいお茶の缶を手に持ち、ベンチに腰掛けて夜桜と人波を眺めていた。……その時、仮設トイレの長い列の近くで、不自然に立ちすくんでいた女性が目に入った。
年齢は20代半ばの女子大生風。白いトレンチコートに、チェックのミニスカートを穿いていた。足元は黒いロングブーツを履き、大きなマフラーを巻いている。髪は綺麗に巻かれたロングヘアで、いかにもお洒落な女の子だった。友達のグループから少し離れ、仮設トイレの列の最後尾を見つめながら、彼女は両手を前で組んだまま動けなくなっていた。
彼女の様子がおかしくなったのは、ビールや冷たいジュースをたくさん飲んでしばらくしてからのようだった。 小刻みにステップを踏むように、右足と左足に交互に重心を入れ替えてお尻を極限まで締め付けている。 遊歩道 of 仮設トイレはどこも30分待ちの長い行列ができており、列に並んでも間に合わないという絶望が、彼女を襲っていた。 顔は真っ赤に上気し、額には細かい汗の粒が光り、きつく結んだ口元は小さく震えている。
見てはいけないと思うのに、私は彼女のミニスカートの裾の中で限界を迎えて震える脚から目が離せなくなり、私の心拍数はドクンと激しく高鳴った。 便意の第ニ波が彼女を直撃した。 彼女はついに耐えかねて、トレンチコートのポケットに両手を深く突っ込み、内股をこれでもかと擦り合わせている。「う……」と小さく悲鳴のような息を漏らし、その場にうずくまってしまった。
結局、彼女は友達に内緒で列を離れ、両手でスカートの前を押さえながら、お尻をかばうように内股のまま、川沿いの暗い茂みへと長る(這う)ようにして消えていった。 今でも満開の夜桜を見るたび、あの日の冷たい川風と、極限の我慢に震えていた彼女の涙目を思い出して胸が苦しくなる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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