夏のビーチバレーコートと仮設フェンスの影
夏の強い日差しが照りつける8月の午後2時前、湘南の海岸に設置されたビーチバレーコートでのことだ。気温は33度を超え、潮風が強く吹き抜ける中、熱い砂の上で熱戦が繰り広げられていた。私は観戦用の簡易スタンドから試合を眺めていた。……その時、近くの仮設フェンスの前で立ちすくんでいた女性が目に入った。
年齢は20代前半の女子大生風。白いスポーツブラに、ピチッとした青いスポーツショーツを穿いていた。髪は高い位置でポニーテールに結ばれ、額には大粒の汗が光っている。最初はお友達と笑顔で話していたが、突然お腹を抱え込むようにして不自然に動きを止めた。
彼女の様子がおかしいのはすぐに分かった。 両足をぴったりと揃え、砂の上でつま先をカタカタと動かしながら、内ももを激しく擦り合わせるようにしてもじもじしているのだ。 熱中症対策で一気飲みした冷たいスポーツドリンク of 影響で、急激な尿意を引き起こしたようだった。 顔からは血の気が引き、焦燥感で表情が強張っている。手は無意識にショーツの上から下腹部を強く押さえ込んでいた。
コートの周囲には観客や他校の選手たちが溢れており、トイレに行くにはこの大勢の視線を浴びながら走らなければならない。その社会的な檻が、彼女を精神的にさらに追い詰めているようだった。 見てはいけないと思つつも(思いつつも)、彼女のスポーツショーツ越しに限界を迎えて震える太ももから目が離せなくなり、私の心臓はドクンと跳ね上がった。
尿意の第ニ波が彼女を直撃した。 「うぅ……」と喉の奥で押し殺したような吐息が聞こえ、彼女はショーツを握りしめながら、お尻の筋肉を極限まで締め付けている。 友人が心配して声をかけるが、彼女は涙目で首を振るのが精一杯で、言葉を返す余裕すら失っているようだった。
ついに我慢の限界を迎えたのか、彼女は友人の制思(制止)を振り切るようにして歩き出し、お尻をかばうように極端な内股のまま、コートの裏手にある仮設フェンスの影の藪の中へと長る(這う)ようにして駆けていった。 今でも夏の海の潮騒を聞くたび、あの時の彼女の限界の表情と、フェンスの裏に消えていった必死の後ろ姿を思い出して胸がキュンとする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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