放課後の三者面集
秋の放課後、午後5時を回って暗くなった進路指導室でのことだ。私は担任教師として、ある生徒とその保護者を交えた三者面談を行っていた。 ……その時、私の目の前に座っていた女子生徒が目に入った。
年齢は17歳、高校2年生。ブレザーの下に紺色のカーディガンを合わせ、チェックのスカートを穿いている。髪は肩まで伸ばした黒髪で、クラスではいつも明るく話す生徒だった。 進路についての対話が始まって20分が経過した頃、彼女の様子が急変した。
机の下で、彼女が不自然に腰を浮かせたり身を丸めたりしているのだ。 彼女は自分のカバンを膝の上に抱え込み、下腹部をぎゅっと圧迫するようにして前かがみになっていた。 顔からはみるみる血の気が引き、額には大粒の汗が浮き上がっている。隣に座る母親は熱心に話しているが、彼女の耳には入っていないようだ。間違いない、彼女は急激な腹痛と便意の波に襲われている。
母親と教師である私の前で「お腹が痛くてトイレに行きたい」と切り出すのが、思春期の彼女にとってどれほどの苦痛であるかは容易に想像できた。 見てはいけないと思つつも、彼女の太ももが限界の緊張で強張り、カーディガンを握る指先が白く震えている様子に私の心臓はドクドクと高鳴った。 便意の第2波が彼女を直撃した。
「うっ……」と小さく声が漏れ、彼女は椅子の背もたれから完全に離れて身を硬直させた。 お尻の筋肉を限界まで締め付けているのが、制服の生地の張りと衣擦れから伝ってくる。 「どうしたの?」と母親が尋ねると、彼女は顔を真っ赤にして涙目で「なんでもない……」と掠れた声で答えたが、体は小刻みに震えていた。
それから数分後、ついに耐えかねたように「すみません、トイレに!」と叫んで彼女は席を立ち、腰を引いた奇妙な歩き方で廊下へと飛び出していった。 今でも進路指導室の静かな空間にいると、あの密室での張り詰めた我慢の表情と、私の胸を焦がしたあの日のスリルが蘇る。
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