文化最前夜の居残り
秋の文化祭前日の夜、午後7時過ぎの飾り付け作業中の教室でのことだ。ほとんどの生徒が帰宅し、居残った数人でアーチの制作を行っていた。 ……その時、脚立の上で作業していた女子生徒が目に入った。
年齢は17歳。制服のシャツの上にキャラクターものの赤色のエプロンをつけ、チェックスカートを穿いている。ポニーテールに結んだ髪が、体を動かすたびに揺れていた。 最初は元気に笑いながら看板に絵の具を塗っていた彼女だが、急に口数が少なくなった。
脚立から降りる足元が、ひどくおぼつかないのだ。 彼女はエプロンのポケットに両手を入れ、下腹部をぎゅっと抱え込むようにして猫背になっている。 顔は真っ赤に上気し、額には冷や汗の粒が浮き上がっていた。間違いない、彼女は急激な腹痛と便意の波に襲われている。
「あと少しで完成だから……」という責任感と、周囲の男子生徒に腹痛を悟られたくないという羞恥心が、彼女をこの場に留まらせていた。 見てはいけないと思うのに、エプロン越しに自分のお腹を必死にさすっている彼女の姿から目が離せない。心臓がトクトクと早く高鳴る。
便意の波は容赦なく彼女の腸を締め付ける。 彼女はついに床に座り込み、両膝を抱えて顔をうずめた。 「大丈夫?代わろうか?」と声をかけると、彼女は涙の浮かんだ目で私を見上げ、「大丈夫……ちょっとお腹痛いだけ……」と震える声で答えたが、その体は小刻みに震えていた。 エプロンの下で、お尻の筋肉を極限まで締め付けているのが衣擦れの音から伝わってきた。
数分後、彼女はついに「ごめん、ちょっと席外すね!」と掠れた声で言い残し、お尻をかばうようにして腰を引いた姿勢で廊下へと走っていった。
今でも絵の具の匂いを嗅ぐたび、あの日の静かな教室と、限界に耐えていた彼女の真っ赤な顔を思い出して胸が苦しくなる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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