冬の進路面談室の凍りつく秒針
凍てつくような1月の午後4時半過ぎ、暖房の効きが悪い北校舎の進路面談室でのことだ。私は担任の先生と向き合い、大学出願の最終確認を行っていた。外は冷たい雪が舞っており、窓ガラスからはしんしんと冷気が伝わってくる。最初の異変は、面談が始まって10分ほど経った頃、下腹部にツンと走った明確な尿意だった。面談前に自販機で買った温かいミルクティーを一気に飲み干したことが、この寒さの中で仇となったのだ。
私はその日、学校指定の黒いブレザーに、濃紺のプリーツスカート、そして黒のタイツとローファーを履いていた。髪は耳の上でツインテールにまとめ、黄色いリボンできっちりと結んでいたが、尿意の焦りによる冷や汗で額の生え際が濡れ、前髪が額にはりついてしまった。メイクは校則違反にならない程度の薄化粧だったが、脂汗でヨレて目の周りが黒く滲んでいるのが自覚できた。右手は机の上でシャーペンを強く握りしめ、左手は机の下でスカートの裾を千切らんばかりに握りしめていた。
タイツに包まれた私の両脚は、内ももをこれでもかと密着させ、両膝を限界まで押し付け合うようにして激しく震えていた。ローファーのつま先に力を込め、お尻の筋肉を限界まで締め上げた。 「あと、あと15分……この書類の確認が終わるまで……」 頭の中で残りの面談時間を逆算し、必死に自分と言い訳を交わした。しかし、尿意の第二波は容赦なく私の膀胱を収縮させ、下腹部に鋭い激痛が走った。担任が熱心に出願書類の説明をしている最中、私は「はい……」「そうですね……」と生返事をしながら、お尻の門を閉じることだけに全神経を集中させていた。ここで面談を中断してトイレに逃げ込めば、真面目な生徒としての私の評価が一瞬で失われる。その社会的なプレッシャーが私をパイプ椅子に縫い止めていた。
尿意の第三波が襲ったとき、あまりの激痛に私の背筋はピンと跳ね上がり、声が一瞬途切れた。 顔面は完全に土気色になり、きつく噛み締めた唇からは赤みが消えて白くなっていた。恥ずかしさと、面談室の中で今にも決壊してしまいそうだという恐怖が頭を真っ白に染め上げ、心臓は早鐘のように脈打っていた。耳の奥が熱くなり、自分の荒い呼吸音だけが大きく聞こえる。
面談がようやく終了した瞬間、私は椅子から立ち上がろうとしたが、膀胱への刺激でその場で内股のまま凍りついた。両手でスカートの上から股間を強く圧迫し、がくがくと震える足元を支えながら、這うようにして廊下の女子トイレへ向かった。今でも冬の面談室を見るたび、あの時の冷たい汗と、股の奥がキュンとすくむ焦燥感を思い出して胸が熱くなる。
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