無機質なPC教室の秒針
肌寒い11月の午後4時前、冷房の残るPC教室で行われていた情報の特別実習でのことだ。静まり返った室内には、キーボードを叩くカタカタという乾いた音だけが響き渡っていた。私は課題のプログラム入力を進めながら、何気なく隣の席に座るクラスメイトの浜田さんに目をやった。最初の異変は、彼女の手が急にキーボードから離れ、お腹を抱え込むように丸まったことだった。
彼女は学校指定の濃紺のセーラー服を端正に着こなしていた。黒のプリーツスカートの下には、規則正しい黒のタイツを穿き、足元はローファーを履いていた。髪はすっきりと二つの三つ編みに結んでいたが、冷や汗で額の生え際が濡れ、前髪が額にはりついていた。耳元の小さな星型のヘアピンが、彼女の小刻みな頭の揺れに合わせて不自然に小刻みに揺れていた。右手はマウスを強く握りしめたまま完全に固まっており、左手は机の下でスカートの裾を千切らんばかりに握りしめていた。
タイツに包まれた彼女の両脚は、内ももをこれでもかと密着させ、両膝を限界まで押し付け合うようにして激しく震えていた。ローファーの中でつま先を丸めているらしく、床と擦れて「キシッ……」という微小な摩擦音を立てていた。実習前に自販機で購入した冷たい缶入りの紅茶を一気飲みしたことが災いし、彼女の膀胱は限界を迎えていたのだ。完璧に施されたはずのナチュラルメイクは脂汗でヨレ、目尻のアイラインが滲んで黒い影を作っていた。唇は噛み締めすぎて端から小さく皮が剥がれていた。
「あと、あと5分……プログラムの実行が終わるまで……」と、彼女の薄い唇が声にならない言葉を呟いて震えていた。PC教室は誰一人として私語を口にしない静寂に包まおり、今さら立ち上がって退席すれば、周囲の視線が一斉に自分に集まる。その社会的な檻が彼女を座席に縫い止めていた。尿意の波は絶え間なく彼女を襲う。第二波、第三波が来るたびに、彼女は背筋を限界まで反らし、机の角に下腹部を強く押し当てて痛みを逃がそうとしていた。
見てはいけないと思つつも、彼女の太ももが激しく痙攣するように震え、セーラー服の裾が揺れる様子から目が離せなかった。私の心臓は早鐘のように打ち鳴らされ、息をするのも忘れるほどだた。彼女の顔は尿意の激痛で歪み、涙で濡れた瞳でモニターの進行状況を睨みつけていた。
ついに実行結果が出た瞬間、彼女は立ち上がろうとしたが、腰が引けた内股のままその場で凍りついた。両手でスカートの上から股間を強く圧迫し、がくがくと震える足元を支えながら、這うようにして女子トイレへと消えていった。今でも静まり返ったPC教室の作動音を聞くたび、あの時の冷や汗と、股の奥がキュンとすくむ焦燥感を思い出して胸が熱くなる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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