現代国語テストの長すぎる50分
凍てつくような12月の午前10時過ぎ、期末テスト2日目の現代国語の試験室でのことだ。静まり返った教室には、シャーペンが紙を擦る音と、ストーブが小さく唸る音だけが響いていた。最初の異変は、テスト開始から15分ほど経った頃、下腹部の奥深くがギューッと激しく収縮したことだった。朝食に食べた冷たいヨーグルトとテストのプレッシャーが、このタイミングで私の胃腸を直撃したのだ。
私はその日、学校指定の紺色ブレザーに、プリーツスカート、そして黒のハイソックスとローファーを履いていた。髪は後ろできっちりと三つ編みに結んでいたが、腹痛による冷や汗で額の生え際が濡れ、前髪が額にはりついてしまった。顔面からは血の気が引き、きつく噛み締めた唇からは赤みが消えて白くなっていた。解答用紙を埋める右手は、手汗で滑りそうになり、指先がカタカタと震えて文字が歪んだ。
スカートの下でお尻の括約筋を極限まで締め上げ、両膝を限界まで密着させて内側に折り曲げていた。椅子の上で腰を少し浮かせては、机の角に下腹部を押し当てるようにして激しい痛みを散らそうとした。 「あと、あと30分……テストが終わるまで……」 黒板の上の時計を睨みつけながら、焦燥のなかで無益な残り時間の計算を繰り返した。試験中に退席すれば、その科目は0点扱いになるという厳しいルールがある。その社会的責任感が私を椅子に縫い止めていた。
便意の第二波が去ったのも束の間、より狂暴な第三波が押し寄せたとき、私は思わず「くっ……」と声を漏らしそうになった。下腹部を走るズキズキとした激痛に耐えかねて、私は何度も背筋を限界まで反らせて息を整えた。恥ずかしさと、静まり返った試験室の中で今にも決壊してしまいそうだという恐怖が頭を真っ白に染め上げ、心臓は早鐘のように脈打っていた。耳の奥が熱くなり、自分の荒い呼吸音だけが大きく聞こえる。
チャイムが鳴り響き、回収が終わった瞬間、私はお尻を不自然にかばう内股の歩き方で廊下へ飛び出し、女子トイレへと駆け込んだ。便座に座り、すべてを排出した瞬間の、魂が抜けるような熱い解放感。今でも国語の試験用紙を見るたび、あの時の冷や汗と股の奥がすくむような恐怖を思い出す。
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