賑やかな立ち飲み屋と満席の個室
週末の夜9時、駅前にある若者に人気の大型居酒屋でのことだ。アルコールと喧騒が渦巻く店内の奥、トイレの前には男女共通の個室が一つしかなく、そこには常に5人以上の行列ができていた。私は酔い覚ましを兼ねてその列に並んでいた。……その時、私の二つ前に並んでいた女性が目に入った。
彼女は20代前半の、華やかな女子大生風の女性だった。オフショルダーの白いニットに、流行りのフェイクレザーのミニスカート。足元は黒い厚底のロングブーツを履き、ゴールドの細いブレスレットが手首でキラキラと輝いていた。髪は緩く巻かれたロングヘアだったが、首筋には汗がだらだらと流れ、ニットの襟元に染みを作っていた。最初はスマホを操作しながら友人とおしゃべりをしていた彼女だが、急に表情が引き攣り、会話が途絶えた。
彼女は手袋を持つように、両手で小さなクラッチバッグを強く握りしめ、それをお腹の前にピッタリと押し当てた。厚底ブーツを履いた彼女の脚は、内ももをすり合わせるようにして交互にステップを踏み、膝がくの字に折れ曲がっている。顔の筋肉は限界の便意によって強張っており、綺麗に塗られたリップは噛み締めすぎて端がわずかに裂け、血がにじんでいるように見えた。お酒が入っていることで胃腸の動きが活発になり、急激な大波が彼女を襲っているのは一目瞭然だった。
「まだ開かないの……?」と、彼女は個室のドアを見つめながら焦燥の声を漏らした。前の利用者がなかなか出てこない焦りと、背後に並ぶ他の客たちからの無言のプレッシャー。個室という唯一の避難所を目の前にしながら、一歩も進めない社会的な焦燥が彼女を追い詰めていた。彼女は時折、ハァハァと荒い息を吐きながら、つま先立ちになってお尻の括約筋を極限まで締め上げ、体をねじるようにして便意を散らそうとしていた。
見てはいけないと思うのに、私は彼女のミニスカートの裾から伸びる、汗ばんだ太ももの震えから目が離せなくなっていた。心臓がドラムのように激しく打ち鳴らされ、息をするのも忘れるほどの興奮が全身を駆け巡る。もしこの場で彼女が決壊してしまったら、その華やかな姿はどうなってしまうのだろう。そんな後ろめたい想像が頭を支配し、喉がカラカラに渇いた。
個室の鍵が開く音が響いた。しかし、前の客が出てくるより早く、彼女に最大級の波が襲いかかった。「あ、っ……」と、彼女は短い悲鳴を上げ、その場に崩れ落ちるようにしゃがみ込んでしまった。ロングブーツの踵が床をトントンと不規則に叩き、彼女は頭を膝に埋めて全身を激しく震わせていた。前の客が驚いて道を譲ると、彼女は友人に抱えられながら、滑り込むようにして個室の中へと消えていった。今でも居酒屋の喧騒を聞くたび、あの薄暗い通路で限界のポーズで震えていた彼女のオフショルダーの白い肩と、あの瞬間の高揚感を鮮明に思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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