植物園の温室と冷えた体温
雨がパラつく10月の午後2時過ぎ、私は郊外にある広大な植物園の温室ドームを訪れていた。熱帯植物エリアは温湿度が高く快適だったが、サボテンエリアに移動した途端、急激に下がった気温と冷たい冷房の風が私の体を包んだ。最初の異変は、その直後に起きた。下腹部の奥深くがキュンと引き締まるような、非常に冷たく鋭い尿意を感じたのだ。
私はその日、上品なリブニットのロングワンピースに、黒のストッキングとローヒールのパンプスを合わせていた。髪は後ろでハーフアップにまとめ、細いゴールドのバレッタで留めていた。しかし、冷えと急激な尿意のせいで全身から脂汗が吹き出し、ワンピースの背中側が張りつくのを感じた。顔の血の気は一瞬で引き、丁寧に塗ったチークの下の肌は青ざめていた。温室内の通路で、私は両膝をきつく合わせ、足首をクロスさせて尿道括約筋を限界まで引き締めた。
「次のトイレがある出口まで、ここから歩いて10分はかかる……」と脳内で必死の自己交渉と距離計算を試みるが、サボテンエリアの静けさと周囲の観光客の視線という社会的なプレッシャーが、私をその場で硬直させていた。歩く振動すら膀胱への刺激になり、一歩を踏み出すたびに下腹部に激しい電流が走る。尿意の波は容赦なく押し寄せ、膀胱を決壊寸前のダムのように膨らませていた。
私はお腹の前でハンドバッグを強く押し当て、上体を深く折り曲げてその場でもじもじと足踏みをした。激痛の第二波が来た瞬間、背筋がピンと跳ね上がるように強張り、喉の奥から「くぅ……」と押し殺した短い呼吸が漏れそうになった。恥ずかしさと、破裂寸前の下腹部を必死に抑え込むスリルが頭の中で混ざり合い、耳の奥がカッと熱くなっていく。
ついに限界が訪れ、私は通路の脇の柱に寄りかかり、内股のままその場に凍りついた。両手でスカートの上から股間を強く圧迫し、がくがくと震える膝を支えながら、何とかすり足で出口へと向かった。ロビーの化粧室へ駆け込み、個室の便座に座って温かいものが一気に解放された時の魂が抜けるような心地よさは今でも忘れられない。今でも冷たいエアコンの風を感じるたび、あの時の冷や汗の冷たさと股の奥がキュンとすくむ恐怖を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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