秋風吹くテラス席でのワインの罠
秋の穏やかな土曜日の夜8時すぎ、都心のビル屋上にあるお洒落なワインバーのテラス席でのことだ。周囲は恋人たちやグループで賑わっており、お酒や食事を片手に楽しげな会話が飛び交っていた。私は友人とテーブルを囲み、冷たい白ワインを何杯も飲み干していたが、これが悲劇の始まりだった。
最初の予兆は、席についてから1時間が経過した頃だった。秋の夜風がテラス席を通り抜け、足元からじわじわと体温を奪っていった。突然、下腹部の奥深くでツンとした鋭い尿意の針が走り抜けたのだ。「大丈夫、まだ大丈夫」と自分に言い聞かせたが、冷たいワインと寒さが重なり、尿意は一気に強暴な第二波となって膀胱を襲った。
私はその日、光沢のあるネイビーのパーティドレスに、パールのネックレス、そして5センチのシルバーヒールを履いた。髪は綺麗にアップスタイルにまとめていたが、尿意の焦燥から全身に噴き出した冷や汗で首元がじっとりと濡れ、ドレス the 襟元が張り付くのが分かった。顔からは完全に血の気が引き、綺麗に整えたはずのメイクも脂汗で崩れ、顔面は白くなっていた。
バーの女子トイレは常に長蛇の列ができており、個室も一つしかないため、列は一向に進まない。友人の前で恥をかきたくないという強い社会的羞チック心が、私を座席に縛り付ける檻となっていた。
私はドレスの裾をギュッと握りしめ、席の上で両脚を交差させ、内ももをこれでもかと締め上げた。ヒールサンダルのつま先に力を込め、お尻の筋肉を極限まで硬直させた。尿意の波が来るたびに、私はグラスを握る右手に限界の力を込め、上体を少し前屈みにして耐えた。
「あと10分、このグラスを空けるまで……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返すが、お腹の奥が痛むたびに心臓が激しく脈打ち、焦りで頭が真っ白になった。
見てはいけないと思つつも、自分の限界の太も目の震えと、ドレスの裾が不自然に揺れるスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。
ついに我慢の限界を迎え、私は席を立ってトイレへ急いだが、立ち上がった衝撃で尿道が決壊しそうになり、通路の途中で内股のまましゃがみ込みそうになった。両手で股間を押さえながら、何とか化粧室へとすり足で急いだ。個室の便座に座り、すべてを排出した瞬間の凄まじい解放感。今でも秋のテラス席でワインを飲むたび、あの時の冷や汗と股の奥がすくむような恐怖を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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