金曜夜の喧騒と孤独な決戦
金曜日の夜9時半、週末の混雑で活気に満ちた大衆居酒屋のトイレ前でのことだ。私は共用トイレの前にできた数人の列に並んでいたが、これが地獄の始まりだった。居酒屋のトイレは一つしかなく、中の利用者は一向に出てくる気配がない。
お腹の底がズンと重くなり、嫌な汗がじわりと額ににじみ出た。仕事帰りの飲み会で食べた激辛のチゲ鍋が、この最悪のタイミングで私の胃腸を刺激し始めたのだ。
私はその日、薄ピンク色のシフォンワンピースに、白いローゲージニットのカーディガンを羽織っていた。髪はハーフアップに結んでいたが、腹痛による冷や汗で額の生え際からだらだらと汗が流れ落ち、首元の襟元を濡らしていた。次の順番まであと2人という状況だったが、時間が経つにつれて便意の波は大きくなり、小康状態を許さなくなっていった。
私はワンピースの裾を両手でギュッと握りしめ、お尻の括約筋を極限まで締め付けた。両脚をクロスさせ、内ももをこれでもかと密着させながら、時折もじもじと身を捩った。
「お願いだから、早く出てきて……」 心の中で無意味な祈りを捧げ、トイレの扉を何度も確認する。一分がまる一時間のように感じられた。
便意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、下腹部をギシギシと収縮させた。お腹のゴロゴロという不快な蠕動運動が周囲に聞こえるのではないかと気が気でなかった。額から流れる汗がアイブロウを溶かし、目に入ってしみるが、それを拭う余裕すらなかった。顔面は完全に土気色になり、きつく噛み締めた唇からは赤みが消えて白くなっていた。
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