試験期間の静寂な図書館
凍てつくような一月の第二火曜日、午後三時すぎの大学図書館でのことだ。期末試験期間の真っ只中であり、三階の個別自習ブースは、張り詰めた緊張感と静寂に包まれていた。私は翌朝の必修科目の試験に向けて、冷たいパイプ椅子に腰掛けて何時間もノートと格闘していた。暖房の風が直接当たる席で身体が乾燥するのを防ぐため、タンブラーに淹れた温かいブラックコーヒーを何度も口にしていたのが、完全に裏目に出てしまった。
最初の異変は、冷え切った下半身の奥深くから、ズシンと重い地鳴りのような便意が静かに湧き上がってきた瞬間だった。最初は「少しお腹が冷えただけだ」と自分に言い訳をして、必死にルーズリーフに数式を書き写していた。しかし、開始から二十分が経過した頃、腸内を直接冷たい手でギュッと雑巾のように絞り上げられるような、第一波の激しい腹痛が襲ってきた。冷たい汗が背中をタラリと伝い落ち、全身の毛穴が一気に収縮して鳥肌が立った。
私はその日、上品なオフホワイトのケーブルニットに、厚手のウール製チェックスカート、そして黒の百十デニールタイツと茶色のローファーを合わせていた。長い髪は後ろで上品なハーフアップにまとめ、金属製のヘアクリップで留めていたが、腹痛の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗で首元がじっとりと濡れ、ニットの襟元が張り付くのが分かった。綺麗に整えていたはずのファンデーションが脂汗で浮き上がり、マスカラが滲んで涙目のようになっているのが自覚できた。
図書館の自習室は、周囲の学生たちが紙をめくる音すら気にするほど極めて静かであり、一度席を立ってガタガタと音を立てるだけで全員の視線が集まるという強烈な社会的圧力が、私を座席という名の檻に縛り付けていた。
便意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、括約筋はすでに悲鳴を上げていた。お腹の中で冷たい泥水がゴロゴロと渦巻くような激しい蠕動運動が起こるたび、私は思わず「くっ……」と声を漏らしそうになり、上体を深く折り曲げて木製の机の端を指先が白くなるほど強く握りしめた。お尻の括約筋を極限まで締め付け、タイツの中で太もも同士をこれでもかと密着させ、膝を内側に折り曲げて全身を激しく震わせた。カカトを交互にせわしなく上下させながら、お腹の急激な下りに伴う痛みを逃がそうとするが、お腹の奥の熱い塊は確実に argument を強め、一歩でも動けば決壊するという極限状態に達していた。
「あと五分、この章を読み終えるまで……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返し、神に祈り続けた。恥ずかしさと、この静寂の中で今にも漏らしてしまうのではないかという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。見てはいけないと思つつも、自分の限界の太も目の震えと、スカートの裾が不自然に揺れ動くスリルの中で、心臓は早鐘のように脈打っていた。
限界の第三波が通り過ぎた一瞬の小康状態を見計らい、私はお尻をかばう極端な内股の姿勢で立ち上がった。一歩歩くごとに、お尻の奥で熱い塊が出口を求めて激しく自己主張し、涙目で顔を歪めながら、廊下の奥にあるトイレへと駆け込んだ。便座に腰を下ろし、熱い水分が一気に放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感は、今でも静かな図書館に行くたびに下腹部の奥をキュンと疼かせるほどだた。
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