初詣の神社、着物姿の罠
冷たい風が吹き抜ける一月一日、午前十時すぎの有名な神社でのことだ。初詣の参拝客で境内は大変混雑しており、本殿の前には長い行列ができていた。私は参拝を終えておみくじを引きに行こうとしていたが、近くの列に並んでいる女性の様子に、微かな異変が生じたことに気づいた。……その時、彼女の不自然な立ち姿が目に入った。
年齢は二十代半ばの非常に上品な女性で、新春にふさわしい華やかな赤やゴールドの絹織物の振袖を着用し、足元は足袋に草履を履いていた。髪は美しくアップスタイルにまとめられ、かんざしが揺れていたが、その首筋にはだらだらと冷や汗が流れ落ち、着物の襟元に染みを作っていた。
彼女は突然、持っていた金色の巾着袋を両手で強く抱え込み、それを下腹部を押し潰すように強く押し当てた。振袖の帯の下で、足袋を履いた内ももをこれでもかと密着させ、両膝を左右に激しくもじもじと擦り合わせいる。冷え切った境内で、甘酒や温かいおしるこを一気に摂取したのだろう、急激な便意の第一波に襲われているのは明らかだった。顔面からは血の気が完全に引いて白くなり、綺麗に施されたメイクは冷や汗で崩れ、ファンデーションが浮き上がっているのが至近距離で見えた。
参拝客が密集しており、列を抜け出せば再び並び直さなければならないという社会的焦りと、着物を着ているため動作が制限されるという物理的な檻が、彼女を極限の精神状態へと追い詰めていた。彼女は時折「はぅ……っ」と熱く荒い吐息を漏らし、腰を低く落としてお腹を抱え込むようにして必死に括約筋の決壊を防いでいた。
見てはいけないと思つつも、彼女の振袖の裾の下でがくがくと震える太も目の動きと、限界の仕草から目が離せなかった。私の心臓はうるさく鼓動を刻み、喉の渇きを覚えるほどだた。彼女は草履のつま先を石畳に強く押し付け、お尻の筋肉を極限まで締め付けていた。だらら、見ていて胸が熱くなった。
十分が経過した頃、彼女はついに限界を迎えたのか、「あっ……っ」と短い声を漏らし、列の途中で動きを止めてしまった。両手で完全に股間を強く押さえ、顔を真っ赤にして必死に耐えている姿は、今でもあの時の彼女の限界の震えを思い出して胸がゾクゾクとする。友人に支えられながらゆっくりと退席した彼女は、そのままトイレへと急いだ。今でも初詣の着物姿を見るたび、あの時の彼女の歪んだ横顔と、必死に太ももを擦り合わせていた姿を思い出して胸が熱くなる。
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