修学旅行の記念撮影
高校2年の秋、修学旅行の最終日、私たちは京都の寺院の大きな石段の前で集合写真を撮影していた。 最初の異変は、写真撮影のために並び始めた直後の、下腹部に走った軽い尿意だった。 「撮影が終わるまであと10分。それくらいなら我慢できる」 そう自分に言い聞かせて並んだが、それが大きな間違いだった。
階段の上は風が通り抜け、冷たい空気が制服の薄いストッキングを通り抜け、私の膀胱を冷やしていく。 さらに写真の構図調整で時間がかかり、撮影はなかなか始まらない。 「やばい、早く終わって……」 冷や汗が全身から噴き出し、立っているだけで体内の水分がすべて下腹部に集まっていくような錯覚に囚われた。
周囲にはクラスメイトやカメラマン、教師が多数おり、逃げ場はない。 ここで不自然な動きをすれば、一目で漏れそうだと気づかれてしまう。 私は制服のスカートのポケットの中で、両手をきつく握りしめ、両足をクロスさせて必死に太もも同士を押し付け合った。 波が襲ってくるたびに、括約筋にこれまでにない力を込め、頭の中で神に祈り続けた。
カメラマンの「はい、チーズ」の声が響くたび、撮影が終わるのを期待するが、無情にも「もう一枚行きます」と調整が続く。 「もう無理、本当に漏れる……」 涙がこぼれそうになり、口の中がカラカラに渇いていく。 漏らしてしまう恐怖と、極限状態で限界を堪えるスリルに、頭の芯がジーンと痺れるような感覚が混ざり合った。
撮影が終わり、解散の合図がかかった瞬間、私は列を飛び出した。 しかし、急に動いたことで膀胱に強い圧迫がかかり、一瞬その場で足がすくんでしまった。 両手でカバンをお腹の前に抱え込み、ガニ股にならないよう内股を硬直させて、寺院のトイレへと走っていった。
個室に滑り込み、全てを解放した瞬間の全身の力が抜けていく解放感。 今でもカメラのシャッター音を聴くたび、あの秋の冷たい風と、極限の恐怖に震えていた股の奥の痛みを思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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