排泄物語

本革シートの上のビジネスアワー

投稿者: ゆか2分で読めます閲覧 1,6283.7(7件)

20代後半になり、仕事でのキャリアを重ねて高級なドイツ製のセダンを手に入れ、毎日通勤で運天していた頃のことだ。ある初夏の午前8時半、都心のオフィス街へ向かう幹線道路で、私は過去最悪の通勤大渋滞に巻き込まれていた。新調した愛車の本革シートは滑らかで美しかったが、その日は冷たい地獄の特等席と化していた。オフィスの近くのカフェで、大きなカップのホットカフェラテをテイクアウトして飲み干したのが完全に仇となったのだ。信号が数分間まったく変わらないほどの深刻な渋滞のなか、私の下腹部には耐え難い尿意の第二波が押し寄せていた。

私はその日、光沢のある白いシルクのブラウスに、タイトな本革のネイビー色のひざ丈スカートを穿いていた。髪はきれいに整えられたストレートボブで、腕にはお気に入りの高級な腕時計をはめていた。しかし、その隙のないキャリアウーマンの姿の下で、私は本革シートの特性に恐怖していた。布製のシートとは異なり、革のシートは滑りやすく、そして何より水分を全く吸収しない。もしここで我慢できずに放尿してしまえば、高価なレザーシートは一瞬で台無しになり、大人の女性としての尊厳は完全に崩壊する。その社会的抹殺の恐怖が、私の心臓の鼓動を破裂しそうなほど早め、冷や汗が全身から噴き出してシルクのブラウスを肌に張り付かせた。

「次の交差点を曲がれば公衆トイレがあるはず」と必死に頭の中で時間を計算するが、車は1メートルも進まない。尿意の第三波がお腹を直撃した瞬間、私は本革シートの上で「ギュ、ギュッ」とレザーの摩擦音を立てながら、お尻の位置を激しく動かした。パンプスを履いた足を床に踏ん張り、太ももを限界まで交差させて括約筋をこれ以上ない強さで締め付けた。額から流れる汗でアイメイクが崩れ、歪んだ顔をステアリングに押し当てる。仕事用のBluetoothハンズフリーから取引先とのメール読み上げ音声が流れるなか、私は両手で下腹部を強く抱え込み、「っ……くぅ……」と荒い呼吸を押し殺した。

本革の冷たい滑らかさと、自分の股間から湧き上がる極限の熱い刺激の対比が、脳を麻痺させるほどの快感へと変わっていく。漏らしてしまう絶望的なスリルに全身を震わせながら、ようやく会社の地下駐車場に滑り込んだ。ドアを開けて外に出る力すら残っておらず、私はしばらくシートの上で内ももを激しく擦り合わせ、限界の痛みを噛みしめながら、その狂おしい興奮に浸っていた。

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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