排泄物語

守備中にちびった男、それでも補欠は外野に立つ

投稿者: 草野球の補欠1分で読めます閲覧 1,6144.3(11件)

白状する。先々月の試合、俺は守備中に少し漏らした。38歳、フルタイム勤務の会社員、草野球歴は15年になる。試合前に飲んだ1リットルのスポドリが悪い。ライトの守備位置というのは、球が来ないくせに気だけは抜けない絶妙な場所だ。5回の表あたりから尿意が来ていたが、うちのチームは人数ギリギリで、交代を申し出れば試合が止まる。

膀胱のあたりがずきずきと鈍く痛み、グラブを構えるたびに変な汗が滲んだ。守備の合間、何度も股間を気にする素振りをしてはチームメイトに気づかれないよう誤魔化していた。太ももの内側の感覚がおかしくなり始め、自分の体が自分のものでない感覚に陥りました。次の回まで、と我慢を決めた瞬間に限って、フライは飛んでくるものだ。落下点に入って、捕った。全力で走った拍子に下腹に力が入り、まずいと思った時にはもう遅かった。

走りながら祈るような気持ちで「頼む、あと少しだけ持ってくれ」と念じていたのを覚えています。内太ももが熱くなるのを感じながら、ボールを追いました。捕った瞬間の腹圧で、出た。ほんの少しだが確実に出た。38歳の左中間に、小さな敗北が生まれました。幸いユニフォームのズボンは白ではなくグレーで、股間の変色は目立たなかった…と信じたい。心臓がバクバクいって、顔だけは平静を装うのに必死だった。太ももの内側に生温かい感触が広がっていくのを感じながら、平然とボールを返球する演技をした。演技というか、そうするしかなかったのです。

五回裏のベンチでも地獄は続いた。座ると膀胱が圧迫されて、立つと目立つ。攻撃が長引くほどありがたいはずなのに、この日ばかりは早く終われと祈っていた。水筒のお茶を見るだけで下腹が疼くという、条件反射の新境地も知った。

ベンチに戻ってからは誰よりも深くタオルを腰に巻いた。ファインプレーだと騒ぐチームメイトに愛想笑いを返しながら、俺は一人、風の冷たさと下半身の湿った感触を噛みしめていました。帰宅後の洗濯機は、俺の秘密を守ってくれた唯一の証人です。あの捕球はいちよう今季のベストプレーとして語り継がれているが、真実を知るのは俺と洗濯機だけである。

― この話は、これにて ―

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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