終電を逃した夜、同期の女子が高田馬場で漏らした話
これは大学3年の時なんですよ。テニサーの飲み会で、同期の女子(当時21)と男3人で終電逃して、高田馬場から歩いて帰ることになって。真冬で、みんな白い息吐きながら歩いてました。あの時の気温は零下だったと思う。
その子、飲み会でウーロンハイけっこう飲んでて、デニムスカートにパーカー姿だったんですけど、途中から「トイレやばいかも」って言い出したんですよ。深夜2時で、開いてる店が全然なくて。コンビニ2軒回ったんですけど、どっちもトイレ貸出中止で。歩くペースがだんだん内股気味になっていくのが、後ろから見てても分かりました。マジで詰んでました。
神田川の橋のあたりで、その子が急に立ち止まって、無言になったんですよ。顔が青白くなって、両足をぴったり閉じて、腕で自分のお腹を抱えるような格好になってました。「ちょっと待って、ちょっと待って」って小さく繰り返してて、こっちもどうしていいか分からなくて。周囲には民家があるけど、こんな時間に他人の玄関は使える訳がない。
で、足元にじわーって…。街灯の下だったから、アスファルトが濡れてくのがはっきり見えちゃって。本人はもう真っ赤で、半泣きで。「え、うそ、やだ」って震える声で繰り返してました。パーカーの袖で顔を隠すようにしてしゃがみ込んで、肩が小刻みに震えてたのを覚えてます。だんだんと周囲に広がっていく、その痕跡。男連中はとりあえず全員逆方向向いて、一人がコンビニまで走ってタオルと水買ってきて。
そうゆう時の男子の団結力ってすごいんですよ。誰も茶化さなかったのだけは誇れます。その子とは今も友達ですけど、この話は卒業以来一回も触れてないです。あの子の震える声と、街灯に光ってた水たまりだけは、今でも鮮明に覚えてます。時間が経つほど、その時の彼女の気持ちの方が蘇る。若い女性が人前で尊厳を失う瞬間。それに直面した時の、男たちの判断。
マジで墓まで持ってくつもりだったんですけど、匿名なんで供養させてください。
― この話は、これにて ―
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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