テニサー夏合宿、朝ランの林道で女子の先輩が限界越えてた件
大学のテニサーで幹事やってたんですよ。夏合宿は毎年山中湖で、これは自分が2年の時の、当時22だった4年の女の先輩の話です。朝練の前にみんなで林道をランニングするんですけど、その日、先輩が集団のけっこう後ろの方で、明らかにペースおかしかったんですよ。脱水症状じゃなくて、別種の異変。
白いジャージ姿で、髪を後ろで一つに結んでたんですけど、折り返しのあたりから、先輩の顔が真っ白で。立ち止まってはお腹押さえて、また走って、また止まって。あとで本人が言うには、前の晩のバーベキューが当たったっぽくて、合宿所まであと1キロってとこで「あと500メートルが無理」ってなったらしいんですよ。マジで限界の波が30秒おきに来てたって。額の汗と、こめかみに張り付いた後れ毛が、けっこう痛々しかったです。走りながら何度も腹を抱える仕草が見えた。
で、自分は折り返して戻る途中だったんですけど、林道の脇の茂みの手前に、白いジャージの先輩がしゃがみ込む寸前なのがもろに視界に入っちゃって。向こうも気づいて「見るな!先行け!」って。いや、見たくて見たんじゃないんですよ。そうゆう場面って避けられないじゃないですか。先輩の泣きそうな顔と、必死に手で追い払うような仕草だけが目に焼き付いて、全力で素通りしました。
自分はそのまま走り続けたんですけど、心臓の音が大きくなっていくのを感じました。後ろから聞こえるかもしれない音を、耳に入れまいとしますけど、時折ふっと聞こえてくる何かは、多分気のせい。折り返して5分後、先輩が走ってきました。顔は真っ赤で、でも何事もなかったみたいな顔。その後ろ姿は、人間の尊厳を必死に守ろうとする、その一心だったんだと思う。
あとから聞いたら、ちゃんと葉っぱで隠して埋めてきたらしくて、そこだけはマジで偉いと思うんですよ。先輩のその気遣いと責任感に、自分も学ぶところが多かった。以来その林道、部内で「先輩ロード」って呼ばれてました。本人が卒業する時に「あの話は墓まで持ってけ」って言ってたのに、こうして書いてる自分は後輩失格ですね。今どうしてるんだろなあ。
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