凍えるキャンプ場の夜の試練
秋が深まる10月の深夜2時過ぎ、標高の高い山の中にあるキャンプ場でのことだ。周囲は木々に囲まれて真っ暗闇で、気温は5度近くまで冷え込んでいた。地面からの冷気がテンとに染み込み、寝袋に入っていても体がガタガタと震えるような極寒の夜だった。
最初の異変は、寝苦しさで目を覚ました瞬間に訪れた。お腹の奥がギュルギュルと急激に差し込むように痛み、直後に冷たい汗が全身から吹き出した。バーベキューで食べた焼き肉と、冷たいビールが胃腸を急激に刺激したのだ。
私は厚手のフリース上下に、ウールの靴下を履いていた。髪は寝癖で少し乱れていたが、猛烈な便意の第一波が来た瞬間から全身がガタガタと震え出し、冷や汗が額からにじんでフリースの襟元を濡らした。暗闇の中で寝袋を握りしめる両手は強張り、指先は白くなっていた。寝袋の中で、両脚をきつく胸元に抱え込み、お尻の筋肉を極限まで締め付けて耐えていた。
管理棟のトイレまであと300メートル以上あり、外は真っ暗闇で野生動物の恐怖もあるという絶望的な檻が、私をパニックへと追い詰めた。
便意の波は容赦なく押し寄せ、一度引いたかと思えば、さらに凶悪な第二波、第三波が下腹部を襲う。お腹の奥で渦巻く決壊寸前の衝動に、内臓が悲鳴を上げていた。もしこの暗闇のテント内で決壊してしまったら、私の大人の女性としてのプライドはすべて灰になる。その恐怖で、心臓が爆発しそうなほど激しく波打っていた。
恥ずかしさと焦燥感で頭がどうにかなりそうになり、耳の奥が熱くなって呼吸が荒くなっていく。
ようやく意を決してテントを飛び出し、懐中電灯の光を頼りに凍える夜道を走った。トイレの個室に滑り込み、便座に座って限界の圧力をすべて排出した瞬間の、全身の力が抜けていくような解放感は一生の思い出だ。
今でもキャンプの冷たい夜風に触れるたび、あの時の冷や汗の匂いと、暗闇の中で必死に太ももを締め付けて耐えていた極限の感覚を思い出して股の奥がすくむ。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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