観光地のロプウェイでの試練
紅葉が美しい11月の午後2時半過ぎ、観光客で満員となった空中ロプウェイの客車内でのことだ。山頂を目指してゆっくりと上昇する客車の窓からは素晴らしい絶景が広がっていたが、客車内は暖房が効きすぎて蒸し暑く、人々の熱気がこもっていた。
最初の異変は、客車が駅を出発して間もなく訪れた。お腹の奥がギュルギュルと急激に差し込むように痛み、直後に冷たい汗が全身から吹き出した。乗車前に展望台で飲んだ冷たいミルクティーが胃腸を急激に刺激したのだ。
私はイエローのニットセーターに、白いデニムスカート、そして茶色のタイツにレザーのショートブーツを履いていた。髪は緩い三つ編みにしていたが、猛烈な便意の第一波が来た瞬間から体中がガタガタと震え出し、冷や汗が額からにじんで首筋を濡らした。バッグのストラップを握りしめる両手は強張り、指先は白くなっていた。スカートの下では、両脚をきつく交差させ、ブーツの底を床に押し当てるようにお尻の筋肉を極限まで締め付けていた。
空中を吊られて進むゴンドラ内という、物理的に途中で降りられない絶対的な檻が、私をパニックへと追い詰めた。
便意の波は容赦なく押し寄せ、一度引いたかと思えば、さらに凶悪な第二波、第三波が下腹部を襲う。乗客の会話が遠くに聞こえる中、お腹の奥で渦巻く決壊寸前の衝動に、内臓が悲鳴を上げていた。もしここで決壊してしまったら、私の大人の女性としての尊厳は完全に崩壊する。その恐怖で、心臓が爆発しそうなほど激しく波打っていた。
恥ずかしさと焦燥感で頭がどうにかなりそうになり、耳の奥が熱くなって呼吸が荒くなっていく。
ようやく山頂駅に到着し、ゴンドラのドアが開いた瞬間、私は乗客をかき分けるようにして飛び出し、トイレへと走った。便座に座り、限界の圧力をすべて排出した瞬間の、全身の力が抜けていくような解放感は一生の思い出だ。
今でもロプウェイの看板を見るたび、あの時の冷や汗の匂いと、車内で必死に太ももを締め付けて耐えていた極限の感覚を思い出して股の奥がすくむ。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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