排泄物語

立食ワイン会と長いスピーチ

投稿者: 生成エピソード集(エピソード151〜170)2分で読めます閲覧 1,0424.3(3件)

新緑の映える5月の夕方、私は取引先が主催するホテルの立食式ワインテイスティングパーティーに参加していた。豪華なシャンデリアの下、華やかなドレスを着た男女がグラスを片手に談笑している。 最初の異変は、偉い役員の長い乾杯のスピーチが始まった直後だった。 クーラーの風が直接当たる位置にいたせいか、下腹部にツンと刺すような強い尿意を感じたのだ。

「すぐに終わるだろう」 高を括っていたが、スピーチは遅々として終わらず、冷たい白ワインの水分が急速に私の膀胱を圧迫し始めた。 この格式高いパーティーで、スピーチの最中に入り口から最も遠いこの場所から退席するのは、極めて不作法とみなされる。 会社の代表として参加している手前、そんな無作法は絶対に許されないという社会的な檻が、私の足をその場に縫い止めていた。 エメラルドグリーンのサテンのイブニングドレスの裾を、私は指先が白くなるほど強く握りしめた。

尿意は容赦のない大波となって押し寄せる。 私は7センチのピンヒールを履いた両足を交差させ、内ももを激しく擦り合わせることで尿意を逃がそうとした。 しかし、ヒールを履いた不安定な足元は、尿意の波が来るたびにがくがくと激しく笑い、立っていることすら困難な状態に陥っていった。 首筋からじっとりと冷や汗がにじみ、せっかくのサロン帰りのメイクが額の汗で徐々にヨレていくのを感じた。

「あと数分……スピーチが終わるまで……」 頭の中で時間を必死に逆算するが、役員の話は一向に着地点を見せない。 私の顔は苦悶で完全に歪んでおり、グラスを持つ右手は手汗で滑りそうになっていた。 膀胱は限界まで膨れ上がり、少しでも呼吸を深くすれば栓が決壊してしまいそうな恐怖に包まれていた。 恥ずかしさと焦りで心臓が早鐘を打ち、周囲の楽しげな拍手の音が頭の奥でグワグワと反響する。

「っ、は……」 スピーチの山場で、私の膀胱を最大級の収縮波が襲った。私は思わず片手を下腹部に当て、ドレスの上から強く押し当ててしまった。 周囲の何人かが不審そうに私を見た気がしたが、それを気にする余裕など微塵もなかった。 ようやく乾杯の発生があり、パーティーが再開されると同時に、私はグラスを近くのテーブルに叩きつけるように置き、早歩きでロビーの化粧室へと駆け込んだ。 個室に入ってストッキングを下ろした瞬間の、あの圧倒的な熱い解放感は、今でも格式高いパーティーに出席して白ワインを飲むたびに生々しく蘇る。

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掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

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