テーマパークの行列と崩れたポーズ
ゴールデンウィークの強い日差しが照りつける午後2時、関西の有名なテーマパークの人気アトラクションの待機列でのことだ。周囲は家族連れやカップルでごった返し、3時間待ちの行列は牛の歩みのようにしか進まない。 ……その時、私の少し前に並んでいた女性が目に入った。
彼女は20代前半の、ピンクのオーバーサイズパーカーに白いテニスミニスカートを合わせた、快活なスタイルの女性だった。足元は白いアディダスのスニーカーを履き、髪は可愛いツインの編み込みにしていた。しかし、その編み込みの先が、彼女の小刻みな全身の震えに合わせてせわしなく揺れていた。 彼女はスマホを見るふりをしていたが、実際には画面を見ておらず、左手でスマホを握りしめ、右手はスカートの上からお腹を強く圧迫していた。
彼女の脚は、スニーカーを履いているにもかかわらず、踵を浮かせてつま先立ちになり、膝を極端に内側に折り曲げていた。 「ねえ、本当に並んいるの辛いんだけど……」と、彼女が隣の友人に掠れた声で囁いているのが聞こえた。 友人は「もうすぐだから我慢しなよ」と気楽に返しているが、彼女の顔はすでに青ざめ、額から流れる大量の汗で、丁寧に描かれたアイブローが半分消えかかっていた。
彼女は、直前に入ったアトラクションの冷房と、食べ歩きしたスナックのせいで急激に悪化した便意の波と戦っていたのだ。 行列はロープで仕切られ、今さら列を抜けるには多くの乗客とすれ違わなければならない。その社会的な恥と、せっかく並んだ時間を無駄にしたくないという友人の期待が、彼女を行列の中に拘束していた。 便意の第二波が来たのか、彼女は「ひっ……」と息を呑み、上体を折り曲げて太ももをギュッと擦り合わせた。
見てはいけないと思いつつも、彼女の白い太ももが激しく痙攣するように震え、ミニスカートの裾が不自然に波打つ様子に、私の心拍数は急激に跳ね上がった。 喉が渇き、彼女の歪んだ横顔から目が離せなくなっていた。 もしこの大勢の人前で決壊してしまったら……そんな後ろめたい想像が私の頭を支配し、耳の奥が熱くなった。
「う、動けない……っ」 ついにアトラクションの入り口が見えたところで、彼女は立ち止まり、内股のままその場にうずくまってしまった。 両手で下腹部を抱え込み、スニーカーの先を細かく震わせている。 友人が驚いて声をかけるが、彼女は涙を流しながら首を振るだけで、一歩も前に進めなくなっていた。 結局、彼女は行列を逆走するようにして、お尻を隠しながらトイレの方へと消えていった。 今でも遊園地の賑やかな音楽を聞くたび、あの行列の中で限界の姿勢で耐えていた彼女のテニススカートと、あの瞬間の異常な興奮を昨日のことのように思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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