夏期講習の長い模試
真夏の太陽が照りつける8月の午後4時、私は大学受験のための予備校の夏期講習で行われた、3時間に及ぶ連続模擬試験の最中にいた。冷房が効きすぎた静まり返った教室には、鉛筆の走る音と問題用紙をめくる音だけが反響していた。 最初の異変は、英語の試験が始まってから20分が経過した頃だった。 冷気で冷やされた私の下腹部に、ツンとした不快な尿意が兆した。
「まだ始まったばかりなのに……」 模擬試験という特殊な環境下で、途中で挙手をしてトイレに行くことは、試験の中断とカンニング疑惑を招くリスクがあり、極めて困難だった。 この試験の結果でクラス分けが決まるという社会的なプレッシャーが、私を机の前に縛り付けていた。 私はセーラー服のプリーツスカートの中で、両脚を限界までピタリと合わせ、太ももをきつく擦り合わせた。
尿意は容赦のない波となって私を襲い続けた。 試験時間が進むにつれ、尿意の波は間隔を縮め、より鋭い痛みを伴うようになっていく。 私はシャーペンを持つ手の力を強め、もう片方の手は机の下でスカートの裾を握りしめていた。 ローファーを履いた足の指先を限界まで丸め、踵を交互に浮かせることで膀胱への圧力を逃がそうとした。 冷たい汗が背筋を伝って流れ落ち、額の汗で前髪が不自然に額にはりついていた。
「あと10分、あと10分だけ耐えて……」 問題用紙の文字が滑って頭に入らず、時計の針の進みの遅さに絶望する。 私の膀胱はパンパンに膨れ上がり、破裂寸前の水風船のようだった。 少しでも腰の角度を変えれば、その衝撃で温かいものが溢れ出してしまいそうな極限状態だった。 恥ずかしさと焦りで心臓が壊れたように早く打ち鳴らされ、呼吸が細く荒くなっていく。 限界だた。頭の中は「出したい」という欲求だけで埋め尽くされ、涙が目尻からこぼれ落ちた。
「そこまで。筆記用具を置いてください」 監督官の声が響いた瞬間、私は腰を浮かそうとしたが、あまりの尿意の波に襲われ、内股のまま体を硬直させた。 立ち上がれば確実に栓が抜けてしまう。私は机にしがみつき、顔を真っ赤にしてしばらく動くことができなかった。 周囲の生徒が片付けを始める中、ようやく尿意の波が引いた一瞬を狙って席を立ち、私は廊下の女子トイレへとなだれ込んだ。 便座に腰を下ろし、熱い解放感を得た瞬間の全身の震えは、今でも模試の開始チャイムを聞くたびに股の奥が熱くなる引き金となっている。
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