高速道路の渋滞
ゴールデンウィーク後半の5月4日、午後5時過ぎの東名高速道路の上り線でのことだ。私は友人の運転する車の助手席に乗っていたが、事故による20キロの激しい渋滞に巻き込まれていた。車内はエアコンが効いておらず、外からの排気ガスと熱気で息苦しかった。最初の異変は、サービスエリアを過ぎてからわずか10分後のことだった。
お腹の底がズンと重くなり、嫌な汗がじわりと額ににじみ出た。昼食に食べたサービスエリアのカレーが、この最悪のタイミングで私の胃腸を刺激し始めたのだ。
私はその日、黄色のノースリーブワンピースに、薄手の白いカーディガンを羽織っていた。髪はハーフアップに結んでいたが、腹痛による冷や汗で額の生え際からだらだらと汗が流れ落ち、首元の襟元を濡らしていた。次のインターチェンジまであと10キロ以上あり、渋滞で車は時速10キロも出ていないという絶望的な状況だった。隣にいる友人に見られたくないという強い羞恥心が、私をその場で耐えさせる檻となっていた。
私はワンピースの裾を両手でギュッと握りしめ、助手席のシートの上で、お尻の括約筋を極限まで締め付けた。両脚をクロスさせ、内ももをこれでもかと密着させながら、時折シートから腰を少し浮かせるようにして身を捩った。
「お願いだから、早く進んで……」 心の中で無意味な祈りを捧げ、カーナビの到着予定時刻を何度も確認する。一分がまる一時間のように感じられた。
便意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、下腹部をギシギシと収縮させた。お腹のゴロゴロという不快な蠕動運動が助手席のシートを通じて友人に伝わるのではないかと気が気でなかった。額から流れる汗がアイブロウを溶かし、目に入ってしみるが、それを拭う余裕すらなかった。顔面は完全に土気色になり、きつく噛み締めた唇からは赤みが消えて白くなっていた。
恥ずかしさと、車内で今にも決壊してしまいそうだという恐怖が頭を支配し、心臓は早鐘のように脈打っていた。
ようやく次のサービスエリアに滑り込んだ瞬間、私は車が完全に停止する前にドアを開け、不自然な内股の姿勢でトイレへ走った。一歩歩くごとに、お尻の奥で熱い塊が出口を求めて激しく自己主張し、涙目で顔を歪めながら個室へ駆け込んだ。便座個室に腰を下ろし、すべてを排出した瞬間のあの圧倒的な解放感は、今でも高速道路の渋滞に遭遇するたびに下腹部の奥をキュンと熱くさせる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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