排泄物語

高級寿司店のカウンター

投稿者: 生成エピソード集(エピソード351〜400)1分で読めます閲覧 7704.6(5件)

秋晴れの穏やかな10月中旬の夜8時前、銀座にある格式高い高級寿司店のカウンター席でのことだ。店内は凛とした静寂に包まれており、ヒノキの香りが漂っていた。私は取引先との接待で、その席に座っていた。

最初の異変は、冷たいお造りとビールを飲み干した後のことだった。下腹部の奥深くがギリギリと雑巾を絞るように激しく収縮し、冷たい汗が背中を一気に流れ落ちた。冷たいビールの飲みすぎが、この最悪のタイミングで私の胃腸を刺激し始めたのだ。 「商談の本番が始まるのに、今席を立つわけにはいかない」というビジネス上の重圧が、私をカウンター席に繋ぎ止めていた。

私はその日、上品なライトグレーのアンサンブルニットに、黒いタイトスカート、そして黒のパンプスを穿いていた。髪は後ろでハーフアップに綺麗にまとめていたが、腹痛による冷や汗で額の生え際が濡れて前髪が額にはりついてしまった。メイクは接待の緊張感と腸内の激痛のせいで崩れ去り、丁寧に施したファンデーションが脂汗で浮き上がっていた。

カウンター席という、職人の目の前で途中で席を外すことは極めて不作法とみなされる社会的檻が、私をその場に縛り付けていた。タイトスカートの中で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐える。しかし、便意の第二波、第三波は容赦なく襲ってきた。

「お願いだから、早く商談が終わって……」 頭の中で残りの時間を逆算し、必死に自分と言い訳を交わしたが、お腹の激痛に耐えかねて、背中を冷たい汗がタラリと流れ落ちた。恥ずかしさと、取引先の前で今にも決壊してしまいそうだという恐怖が混ざり合い、心臓は早鐘のように脈打ち、頭の中が真っ白になった。

ようやく会食が一段落し、先方が席を外した瞬間、私はお尻をかばう極端な内股の歩き方でカウンターを後にした。廊下の奥の化粧室に滑り込み、便座に座ってすべてを排出した瞬間の、全身の力が抜けるような熱い解放感。今でも高級なお寿司を食べるたび、あの時の冷や汗と股の奥がすくむような恐怖を思い出す。

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