役員合同面接室
雨がしとしとと降る4月の午前10時半過ぎ、都心のオフィスビルの4階にある役員面接室でのことだ。私は採用の最終面接を数分後に控えており、待合室のソファーで待機していた。
最初の異変は、面接室の扉が開いて私の名前が呼ばれた瞬間だった。下腹部の奥深くがギリギリと雑巾を絞るように激しく収縮し、冷たい汗が背中を一気に流れ落ちた。緊張のあまりお昼に食べた冷たいサンドイッチが、このタイミングで私の腸内で猛威を振るい始めたのだ。 「面接時間はあと20分……ここで辞退すれば不採用は確実だ」という強い社会的プレッシャーが、私を椅子に繋ぎ止めていた。
私はその日、上品なリクルートスーツに、タイトスカート、そして黒のパンプスを合わせていた。髪は後ろできっちりとポニーテールにまとめていたが、腹痛による冷や汗で額の生え際が濡れて前髪が額にはりついてしまった。顔からは完全に血の気が引き、土気色になっているのが自分で分かった。
面接官の鋭い視線が注がれる中、私はスカートの下で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐えるしかなかった。 「あと10分、あと3問……」 頭の中で残り時間を計算するが、便意の第二波、第三波が押し寄せるたび、私の背中はピンと跳ね上がるように強張り、そのたびに小さく「ぅ……っ」と熱い吐息が口元から漏れていた。
恥ずかしさと、この厳粛な面接の場で今にも決壊してしまいそうだという恐怖が混ざり合い、心臓は早鐘のように脈打ち、頭の中が真っ白になった。
面接が終わり、「ありがとうございました」と頭を下げて立ち上がった瞬間、私の腸は限界を迎え、一歩も動けなくなった。涙目でスカートの上から股間を強く圧迫し、がくがくと震える足元を支えながら、不自然な内股の姿勢で面接室を後にした。廊下の奥の女子トイレに滑り込み、すべてを解放した時の天国のような心地よさ。今でも面接の場面を思い出すたび、あの時の冷や汗と股の奥がすくむ恐怖が鮮明によみがえる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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