期末対策の学習塾自習室
凍てつくような1月の第二日曜日、午後8時過ぎの有名進学塾の自習室でのことだ。室内は非常に静かで、受験生たちのペンが走る音と、時折響くプリントの衣擦れ音だけが聞こえていた。最初の異変は、志望校の過去問を解き始めて30分が経過した頃だった。下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意が走った。
「あと30分、この大問を解き終わるまで……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返したが、それが終わりのない地獄への入り口だった。塾に来る前に自動販売機で買った冷たい缶コーヒーが、この最悪のタイミングで膀胱へと直接送り込まれ、膨らみかけた風船のように限界を主張し始めた。
私はその日、厚手のダッフルコートの下に、学校の制服である紺色のプリーツスカート、そして黒のタイツに茶色の合皮ローファーを合わせていた。髪はポニーテールに結んでいたが、尿意の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗で額の髪がベタつき、首元の制服の襟がじっとりと濡れて皮膚にはりつく。ファンデーションは塗っていなかったが、顔からは完全に血の気が引き、鏡を見ずとも土気色になっているのが自覚できた。
自習室は咳一つ許されない極限の静寂に包まれており、今ここで立ち上がって退席すれば、周囲の視線が一斉に集中し、生理現象を察せられることになる。その重苦しい社会的圧力が、私を座席という名の檻に縛り付けていた。下腹部に走る激しい刺激のたびに、私は思わず「ひっ……」と声を漏らしそうになり、きつく唇を噛み締めて耐えた。
タイツの中で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐える。しかし、尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は決壊寸前の水風船のように膨らみ、下腹部全体が引き裂かれるように痛む。
恥ずかしさと、この静寂の中で今にも粗相をしてしまうのではないかという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。
ようやく限界を迎え、私は立ち上がった。しかし、一歩を踏み出す衝撃で尿道が限界を迎えそうになり、その場でビクンと全身を硬直させて動けなくなった。涙目でプリントファイルを下腹部に強く押し当て、がくがくと震える膝を内側に折り曲げ、すり足のような奇妙な歩幅で廊下の女子トイレへと位置を移動した。
個室の便座に座り、温かい水分が勢いよく放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感。今でも塾のチャイムを聞くたび、あの時の冷や汗の冷たさと、股の奥がキュンとすくむような恐怖が鮮明によみがえる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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