信号待ちの満員地下鉄
蒸し暑い7月の金曜日、午後7時過ぎの東京メトロ半蔵門線の車内でのことだ。週末の帰宅ラッシュで車内は身動きが取れないほどの超満員となっており、冷房の冷気と乗客たちの熱気が混ざり合って息苦しい空気が立ち込めていた。そんな中、電車が駅の手前で突如「信号待ち」のために緊急停車した。……その時、私のすぐ目の前の吊り革に捕まっていた若い女性が目に入った。
彼女は20代後半のOL風で、上品な白のシフォンブラウスに、タイトなライトベージュの膝丈スカート、そして素足に黒の7センチヒールパンプスを履いていた。髪はハーフアップに綺麗にまとめられ、手には上品な革のビジネスカバンを持っていた。しかし、電車が停止してから5分が経過した頃、彼女の様子に明らかな異変が現れた。
彼女は持っていたビジネスカバンを両手で抱え込み、それを下腹部に強く押し当てるようにし始めたのだ。さらに、タイトスカートの中で、両膝をピタリとくっつけ、内ももを強く擦り合わせるような仕草を繰り返した。満員電車の冷房の冷気と、突然の運転見合わせという絶望的な状況が、彼女の膀胱を急激に刺激したのだろう。綺麗に施されたメイクの隙間から、冷や汗がにじみ出て、おでこの前髪がベタりと張り付いていくのが至近距離で見えた。
電車の運行状況を告げるアナウンスが流れるたび、彼女の体はビクンと全身を強強張らせてその場に固まってしまった。パンプスのヒールが床にカツカツと不自然な音を立て、内股のまま引きずるように立っている。両手でカバンを股間に強く押し付け、顔を真っ赤にして涙を浮かべている姿は、見てはいけないと思うのに目が離せなかった。私の心臓はうるさく鼓動を刻み、喉の渇きを覚えた。
彼女は自分の膀胱の限界と、周囲の乗客たちに気づかれる恐怖との狭間で、必死に耐えていた。スカートの裾が、がくがくと震える太ももの動きに合わせて不自然に揺れていた。
しばらくして、次の駅に滑り込みドアが開いた瞬間、彼女は周囲の乗客を押し分けるようにホームへ出たが、一歩を踏み出す衝撃で尿道が限界を迎えそうになり、その場で動けなくなった。涙目でカバンをお腹に強く押し当て、がくがくと震える膝を内側に折り曲げ、すり足のような奇妙な歩幅でトイレへと這いずった。今でも満員電車のブレーキ音を聞くたび、あの時の彼女の限界の表情と、漂っていた切迫した空気感を思い出して耳の奥が熱くなる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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