放課後の部活動とワックスがけ
秋も深まる10月の中旬の日曜日、午後4時過ぎの高校の部室でのことだ。周囲は部活動を終えた生徒たちで賑わっていたが、今日は部室の特別清掃とワックスがけがあり、終わるまで退出できない状況だった。最初の異変は、清掃作業が始まって20分が経過した頃だった。下腹部の奥深くで、ツンと刺すような鋭い尿意が走った。
「清掃が終わるまであと20分……それくらいなら絶対に我慢できる」と自分に言い聞かせたが、それが終わりのない地獄への入り口だった。作業前に部室の冷たい水道水を何杯も飲んだことが災いし、膀胱は決壊寸前の水風船のように膨らみ、お腹の奥が痛む。
私はその日、厚手のダッフルコートの下に、学校の制服である紺色のプリーツスカート、そして黒のタイツに茶色の合皮ローファーを合わせていた。髪はポニーテールに結んでいたが、尿意の焦燥感から全身に噴き出した冷や汗で額の髪がベタつき、首元の制服の襟がじっとりと濡れて皮膚にはりつく。ファンデーションは塗っていなかったが、顔からは完全に血の気が引き、鏡を見ずとも土気色になっているのが自覚できた。
部室の清掃中という、途中で席を外すことが極めて困難な社会的状況が、私を肉体的にも精神的にも限界へと追い詰めていく。静まり返った教室内でモップをかける音だけが響く中、少しでも動けば周囲に怪しまれるという恐怖があった。下腹部に走る激しい刺激のたびに、私は思わず「ひっ……」と声を漏らしそうになり、きつく唇を噛み締めて耐えた。
タイツの中で両腿をぎゅっと交差させ、内もも同士を強く押し付け合って耐える。しかし、尿意の波は容赦なく第二波、第三波と押し寄せ、膀胱は決壊寸前の水風船のように膨らみ、下腹部全体が引き裂かれるように痛む。 「あと10分、あと少しで終わる……」と、頭の中で狂ったように秒刻みの計算を繰り返すが、電車のスピードが遅くなるたびに心臓が激しく脈打ち、焦りで頭が真っ白になった。
恥ずかしさと、この静寂の中で今にも粗相をしてしまうのではないかという恐怖が混ざり合い、耳の奥が熱くなって喉がカラカラに渇いた。
ようやく清掃が終わり、私はモップを置き、周囲の目も気にせずに立ち上がった。しかし、一歩を踏み出す衝撃で尿道が限界を迎えそうになり、その場でビクンと全身を硬直させて動けなくなった。涙目でプリントファイルを下腹部に強く押し当て、がくがくと震える膝を内側に折り曲げ、すり足のような奇妙な歩幅で廊下の女子トイレへと這いずった。
個室の便座に座り、温かい水分が勢いよく放出された瞬間の、頭の芯がとろけるような凄まじい解放感。今でも部活動のチャイムを聞くたび、あの時の冷や汗の冷たさと、股の奥がキュンとすくむような恐怖が鮮明によみがえる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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