新幹戦の中の混雑
高校2年の秋、私は京都への修学旅行の帰路、新幹線の車内にいた。 最初の異変は、名古屋駅を過ぎてしばらくした頃の、下腹部を雑巾のように絞られるような鈍痛だった。 「昼休みに駅で食べたクレープが冷えたのかな……」 最初は冷気による一時的な腹痛だと思い、お腹をさすってやり過ごそうとしたが、それが悲劇の始まりだった。
渋滞する新幹線の3人掛けの中央席。両隣にはクラスメイトの女子が座っており、身動きがとりづらい。 さらに悪いことに、修学旅行生で貸し切られた車両のトイレは、同じように腹を壊した生徒や洗面台を使う女子で大混雑しているという情報が耳に入った。 その社会的な檻の認識が、私の便意をさらに加速させた。
額から冷たい汗が流れ落ち、目の前がチカチカとするほどの第二波が襲う。 私はリクルートスーツの代わりの制服のプリーツスカートの中で、両足をきつく交差さえるようにして括約筋を極限まで締め付けた。 冷たい風が車内に吹き抜けるたび、お腹の中で冷たい蛇口が開いたような激痛が走り、鳥肌が全身を覆う。
「あと何分で品川に着く……?」 スマホの路線情報を何度も確認するが、新幹線のスピードですらもどかしい。 お尻を座面に押し付け、少しでもお腹への圧迫を逃がそうと上体を前に倒す。 限界が近づき、もうこのままシートの上で音を立てて崩れてしまうのではないかという恐怖で、心臓が口から飛び出しそうなほど激しく波打っていた。
品川駅の手前でようやく席を立ち、デッキへと向かったが、トイレの前にはまだ2人並んでいた。 その2分間は、人生で最も長い交渉と祈りの時間だった。 自分の下腹部を抱きしめ、膝をガクガクと笑わせながら、ドアが開くのをただ涙目で待っていた。
個室に滑り込み、便座に腰を下ろした瞬間の、あの天にも昇るような解放感。 今でも新幹線の高い通過音を聞くたび、あの密閉された座席での冷や汗と、決壊寸前だった括約筋の痛みを思い出して股の奥がキュンとする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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