修学旅行の小灯後
高校2年の修学旅行、沖縄のホテルの和室でのことだ。午後10時の消灯時間を過ぎ、同室の女子4人はそれぞれの布団に入っていた。 最初の異変は、部屋の電気が消えて静まり返った直後の、下腹部に走ったズキリとした便意だった。 「昼間の班行動で食べた油っこいサーターアンダギーが当たったのかな……」 突然の激しい腹痛に、私は布団の中で身を固くした。
部屋のトイレは洗面所と一体のタイプで、壁が薄く、音が部屋中に響いてしまう。 同級生たちがまだ起きているこの静かな状況で、激しい下痢の音を響かせるなど、一生の恥だ。 その社会的な檻の恐怖が、私を布団の中に留まらせた。 しかし、お腹の中の波は情赦なく第2波となって襲いかかってきた。
冷たい冷や汗が額から流れ落ち、シーツを握る手がカタカタと震える。 私は布団の中で横向きになり、膝を胸のあたりまで引き上げて、お尻の筋肉を限界まで締め付けた。 「頼むからみんな早く寝て……」と祈るが、友達同士の小声の雑談は続いている。 波が襲うたびにお腹がゴロゴロと鳴り、それを隠すために寝返りを打つふりをしてシーツを体に強く押し当てた。
恥ずかしさと、いつ決壊してもおかしくない極限のスリルに、頭の芯がカッと熱くなっていく。 第3波の激しい鈍痛が襲ったとき、括約筋の感覚がマヒしそうになり、お腹を抱えたまま布団の中で涙がこぼれた。 もうプライドを捨ててトイレに行くべきか、でもそうすれば明日の朝どんな顔をすればいいのか。
消灯から30分後、ようやく部屋から寝息が聞こえ始めた。 私は音を立てないようにゆっくりと布団から這い出し、腰を低く落とした姿勢でトイレへと忍び込んだ。 ドアを閉め、便座に座って温かいものが一気に流れ出した瞬間の、あの全身がとろけるような解放感は忘れられない。
今でも修学旅行の思い出話をされるたび、あの暗闇の中での冷や汗と、壊れそうだった括約筋の痛みを思い出して胸がキュンとする。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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