塾の自週室
冬の夜9時を過ぎた、大学受験予備校の静まり返った自習室でのことだ。私はセンター試験を間近に控え、張り詰めた空気の中で過去問を解いていた。 ……その時、通路を挟んだ隣の席に座っていた女子生徒が目に入った。
年齢は18歳の高校3年生。黒のセーターに制服のスカートを穿き、黒いタイツを履いていた。眼鏡をかけ、髪は後ろでクリップで留めていた。 彼女は先ほどから英語のテキストを開いているが、ここ30分ほど1ページも進んでいない。
机の下のタイツに包まれた脚が、小刻みに震えているのだ。 彼女は両膝をぴったりとくっつけ、内ももをぎゅっと擦り合わせたり、カカトを浮かせたりしている。 静寂に包まれた自習室では、鉛筆の音さえ響く。席を立とうとすれば、椅子が「ギギッ」と音を立てる。その視線を恐れるあまり、彼女はトイレに行くタイミングを完全に逃していた。
その張り詰めた葛藤に気づいた瞬間、私の心臓はトクトクと早く脈打ち始め、問題文が頭に入らなくなった。 見てはいけないと思いつつも、彼女が波が襲うたびにシャーペンを強く握りしめ、顔を真っ白にして身を固くする姿に目が釘付けになった。
尿意の第3波が彼女を襲った。 彼女はついにテキストを持つ手を机に置き、上半身を机に深く突っ伏した。 タイツ越しにも、内股に恐ろしいほどの力が入っているのが分かる。 「ふぅ……っ」 かすかな吐息が静かな室内に漏れ、彼女の肩が小さく震えていた。
限界に達した彼女は、ついにガタッと音を立てて椅子を押し引き、カバンも持たずに両手で前を押さえながら、すり足のような奇妙な歩き方で自習室から逃げ出していった。 今でも冬の静まり返った夜の自習室にいると、あの時の一触即発の緊張感と、タイツの衣擦れの音が耳の奥で蘇る。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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