排泄物語

中学時代・初めての浴かたと夜店の長蛇

投稿者: あおい(aoi)エピソード集2分で読めます閲覧 1,4923.4(10件)

中学2年生の夏、私は初めて両親に買ってもらったお気に入りの「浴かた」を着て、地元の花火大会へと出かけました。紺地に大輪の朝顔が描かれたその生地は、まだ糊が効いていて少し硬く、私の未熟な身体を優しく包んでくれていました。髪は不器用ながらも三つ編みにしてから頭の上でまとめ、母のお下がりの可愛らしい桜の髪飾りを挿し、慣れない桐の下駄を鳴らして歩いていたのです。しかし、お祭りという非日常の高揚感から、友人と競うように冷たいラムネやメロン味のかき氷を流し込んでしまったのが災いいたしました。最初の異変は、花火の打ち上げが始まる30分ほど前、広場の片隅で屋台を眺めていた時のことでございました。

下腹部の奥深くから、ツンとした冷たい感覚が静かに立ち上ってきたのです。最初は「少しお手洗いに行きたいかしら」という程度の、たやすい尿意でございました。しかし、そこからが苦難の始まりだったのです。お祭りの会場となった公園の公衆トイレへと向かうと、そこには信じられないほどの長蛇の列ができておりました。数十人もの女性が、暗がりのなかで所在なさげに並んでいるのです。焦る気持ちを抑えて列の最後尾に並びましたが、容赦のない第二波がすぐに私を襲いました。

夏の湿気と人々の熱気が混ざり合い、首筋から汗がダラダラと流れ落ちてまいります。せっかく綺麗に塗った薄化粧が汗で滲み、目元が少しヒリヒリとするのを感じながら、私はただ自分の限界と向き合っておりました。何よりも苦しかったのは、浴かたの着崩れを防ぐためにきつく締め上げられた「帯(おび)」でございます。硬い帯が、限界を迎えつつある下腹部を容赦なく外側から圧迫し、尿意の波が押し寄せるたびに、まるで針で刺されたかのような激痛が走るのです。私は人目を憚る余裕もなく、下駄を履いた両足の内ももをきつく擦り合わせ、腰を少し落とした姿勢で身体を震わせました。

「あと、何人かしら……」 心の中で何度も祈るように数えますが、列は一向に進みません。お腹を抱え込むように前かがみになると、今度は帯がさらに膀胱を圧迫するという悪循環。指先は冷たくなり、お気に入りの黄色い半幅帯を握りしめる手には爪が白くなるほど力が入っておりました。限界の波が来るたびに、顔を苦しげに歪め、荒い吐息を漏らすことしかできません。社会的な羞恥心と、もしここで粗相をしてしまったらという恐怖で、頭の中は真っ白になっておりました。

ようやく自分の番が巡ってきて、簡易トイレの狭い個室に滑り込んだ瞬間、さらなる絶望が待ち受けておりました。慣れない和服の着脱は、焦る手元では恐ろしいほど難しく、腰紐や帯が邪魔をしてなかなか下着を下ろすことができません。指先が震え、涙がこぼれ落ちるなかで必死に布地をさばき、どうにか便座に腰を下ろして解放の瞬間を迎えることができました。温かいものが一気に溢れ出していく感覚に、私は個室の中で深く嘆息し、しばらく立ち上がることもできませんでした。あの日、初めて身に纏った青い生地の感触と、締め付けられるような激痛は、今でも夏祭りの囃子を聞くたびに甘酸っぱいスリルと共に思い出されるのでございます。

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