百名山の残響、岩壁の狭間で
社会人2年目の秋、私は日本百名山の一つである有名な岩山に挑んでいた。その日は週末ということもあり、紅葉目当ての登山客で登山道は非常に賑わっていた。多くの人々が行き交う中で、私はある「密かな計画」を胸に秘めて登っていた。それは、人気の山頂へ至る過酷な岩場の手前で、あえて激しい尿意を限界まで我慢し、人が絶対に来られないような険しい岩壁の隙間で排せつを行うというスリル満点の挑戦だった。
登山口から出発して数時間、私は水分を意図的に多く摂取し、膀胱をパンパンに張らせた状態で登り続けた。私の服装は、イエローの本格的なマウンテンシェルジャケットに、タイトなカーキ色のストレッチ登ザンパンツ、厚手のウールソックスと重登山靴だった。髪は低い位置できっちりとシニヨンにまとめ、汗が首筋に流れるのを防いでいた。登るにつれて尿意の波は凶悪さを増し、太ももを大きく上げて岩を跨ぐたびに、下腹部をナイフで刺されたような激痛が走る。
「くっ、うぅ……」 私は岩壁に手をつき、荒い呼吸を繰り返した。額からは冷や汗が吹き出し、メイクのファンデーションが汗で白く浮き上がって顔全体が強張っているのが自分でも分かった。すれ違う登山客たちに「大丈夫ですか?」と声をかけられるが、私は必死に笑顔を取り繕いながら「大丈夫です、少し息が切れてしまって」と答えるのが精一杯だった。しかし机上の計算通りにはいかず、すれ違いの渋滞が発生したため、岩場での足止めを食らってしまう。
内ももをぎゅっと合わせ、膝を内側に折り曲げるようにして震える足を支えた。膀胱の限界を告げる痙攣が何度も走り、漏れそうになるたびに身体をくねらせて耐えた。心臓は喉元まで飛び出しそうなほど激しく波打ち、全身の毛穴が開ききるような鳥肌が立った。社会的地位の完全な喪失という巨大なリスクが、私の排尿衝動を狂おしいほどに刺激していた。
ようやく列が動き出し、私は狙いを定めていた登山道から少し外れた崩落地の巨大な岩壁の割れ目へと滑り込んだ。そこは足場が崩れやすく危険なため立ち入り禁止に近い場所だが、人目を避けるには完璧だった。私は素早くシェルジャケットの裾をめくり、ストレッチパンツとショーツをずり下げて、冷たい岩肌に背中を預けるようにしてしゃがみ込んだ。すぐ近くの登山道からは、他のハイカーたちの賑やかな話し声や足音がはっきりと聞こえてくる。見つ見れば一発でアウトという極限の緊張感の中、私は膀胱を解き放った。
「ジョ、ジョーー、シバババ……」 乾いた岩肌に吸い込まれていく温かいおしっこの音と湯気が、岩の隙間にこもる。話し声が近づくたびに心臓が跳ね上がり、呼吸を止めて身を硬くした。その恐怖と、極限の解放感が交差する瞬間、私は息が止まるほどの強烈なエロティシズムを感じていた。
パンツを上げ、平然とした顔で一般登山道へ戻りながら、私はまだ痺れている下腹部の感触に心地よい敗北感と勝利感を同時に味わっていた。
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