静寂の芽生え、放課後の理科自修室
中学二年生の蒸し暑い夏の日、私は放課後の特別自修室として開放されていた古い第一理科室で、一人きりで期末テストに向けた居残り勉強をしていました。室内の古めかしい窓はすべて閉め切られ、天井近くで唸りを上げる旧式のエアコンからは時折凍えるような冷たい風が吹き出していました。その冷気と、自習前に部活動のあとに水筒の冷たい麦茶を勢いよく流し込んでしまったことが、私の体に最初の過酷な異変をもたらしたのです。
机に向かって英語の辞書を引いていると、下腹部の奥深くで、かすかな、しかし確実に存在を主張し始める違和感が芽生え始めました。私は当時十四歳で、生地の硬いポリエステル混紡の濃紺セーラー服に、白い短めのコットンソックス、端のすり減った茶色の合皮ローファーという窮屈な格好をしていました。髪は母親に几帳面に結ばれた二つの三つ編みにしており、手元の木製のシャープペンシルを握る小さな指先にはまだあどけなさが残っていました。最初の尿意はまだ微かなものでしたが、水を打ったように静まり返った理科室の中で「あと四十五分で自習時間が終わる」と論理的に時間を計算した瞬間、急に喉が渇くような強い緊張感が走り、全ての神経が下腹部に集中してしまいました。
教壇では年配の男性教師が静かにテストの採点をしており、時折響く赤ペンの走る音と彼の小さな咳払いだけが、室内の沈黙を際立たせていました。エアコンの冷風がセーラー服の薄い生地を容責なく通り抜けて私の腰回りを冷やし、尿意は誤魔化しの利かない明確な第二波となって襲いかかりました。膀胱が急激に膨張し、骨盤の内側を内側から無理やり押し広げるような鈍い痛みが走ります。この古い理科室は驚くほど静かで、ペンの走る音や紙をめくる音さえ部屋中に響き渡るため、途中で立ち上がって「トイレに行かせてください」と監督の先生に申し出ることは、思春期の私にとってクラスメイトに恥部を晒すような、社会的な死に等しい耐え難いことでした。
私は机の下で、両膝をぴったりとくっつけ、内もも同士を限界まで強く擦り合わせるようにして脚を細かく揺らし始めました。ローファーの中で足の指先をぎゅっと丸め、ソックスが汗で少し湿るのを感じます。額からはじわりと冷たい汗がにじみ、顔に塗った日焼け止めが汗と混ざってこめかみの辺りで少しべたついているのを感じます。シャーペンを握る右手は限界の力で強張り、もう文字を書くことなどできません。机の木肌にしがみつき、お腹の圧迫を和らげるために下腹部を木製デスクの角に押し当てながら、決壊寸前の水門のように今にも熱いものが漏れ出しそうになるのを必死に堪えていました。
しかし、その痛みと恐怖の背後で、私は今までに感じたことのない、背筋がゾクゾクするような甘く痺れる感覚を自覚していました。限界まで我慢することの危ういスリルが、静かな教室の空気と混ざり合い、私の心臓を異常なほど速く脈打たせていたのです。
ようやく自習終了のチャイムが鳴った時、私の脚は完全に強張っていました。カバンを前で抱えて下腹部を必死に隠しながら、不自然なほど歩幅の狭い歩き方で理科室を後にし、トイレの個室に滑り込んだ時の温かい解放感は、今でも脳裏に焼き付いています。あの薄暗い理科室の冷気と、股の奥に宿った初めての熱い戦いの記憶は、私のすべての始まりでした。
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