厳冬の模試、重厚なるウールタイヅの内側
高校二年生の二月、凍えるように冷え切った日曜日の模試会場でのことです。木造の古い私立高校の教室は暖房の効きが非常に悪く、窓際の席に座っていた私は、試験開始直後から激しい後悔に苛まれていました。
私は指定の紺色のウールブレザーに、厚手の八十デニールの黒いウールタイヅ、そして膝下までのプリーツスカートという極めて防寒性の高い制服を着用していました。髪はハーフアップのポニーテールにまとめ、手元には受験票と鉛筆だけが置かれています。試験開始から三十分が経過した数学の時間、冷えたコンクリートの床からタイヅを透して伝わる冷気が、私の膀胱に決定的なダメージを与えました。
それは波のように押し寄せる、逃げ場のない強烈な尿意でした。残り時間はあと五十分。試験中の途中退出は即失格となる厳しい模試であり、何よりこの静寂に満ちた張り詰めた空気の中で手を挙げて周囲の視線を集めることは、論理的思考を重んじる私の自尊心が許しませんでした。私は「大問一つを十分で解き終え、残りの二十分を我慢に充てる」という極めて無謀な脳内計画を立て、必死に机上の問題に向き合いました。
しかし、膀胱の容積が物理的な限界値に達しているのは明らかでした。下腹部がギシギシと音を立てて軋むような感覚があり、私は無意識のうちに両脚をクロスさせ、太もも同士を強く圧迫し合いました。ウールタイヅの厚い生地同士が擦れ合い、ガサガサとわずかな衣擦れの音が響くのではないかと焦り、さらに冷や汗が吹き出します。顔は焦燥感で紅潮し、メイクのファンデーションが汗で浮き上がり、唇をきつく噛み締めすぎて端から唾液が少しにじむほどでした。
鉛筆を握る手は汗で滑り、解答用紙を強く押さえる左手は白く震えていました。尿意の第三波が私を直撃した瞬間、私は背中を丸めて机に突っ伏し、下腹部を机の角に強く押し当てて痛みを紛らわせようとしました。太ももを左右交互に動かし、腰を小刻みにひねる動きは、周囲から見れば奇妙そのものだったはずです。
試験終了のチャイムが響き渡った時、私の意識は朦朧としていました。解答用紙の回収中も座ったまま内股を極限まで締め続け、解放の指示が出た瞬間に、よろめく足取りで教室 of ドアへと向かいました。重いウールタイヅの摩擦を感じながら一歩一歩を踏みしめるたび、下腹部を突き上げるような尿意の痛みが走り、その苦痛と、極限を耐え抜いたという奇妙な達成感に脳が痺れていました。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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