祭りの余韻と逃避行(最近のエピソード)
これは本当に最近の話。地元の夏祭りで、ものすごいスリルと興奮を味わった最高のエピソードがあるんだよね。 その日はかなり気合を入れて、濃い紫色の古典柄の浴衣を着て、赤の兵児帯を後ろでふわっと結んでた。髪はコテで巻いてサイドにまとめ、大きめの花の髪飾りをつけて、メイクもバッチリ気合を入れて臨んだ。
お祭りだからテンションが上がって、屋台で焼き鳥を食べながらハイボールを何杯も飲み干した。 しかし、祭りの会場である河川敷の周辺は、仮設トイレが少なくてどこも1時間待ち以上の地獄のような状態。 「この帯の締め付けで1時間は死ぬじゃん……」
気づいた時には、膀胱が破裂寸前の風船みたいに硬くなってた。第一波を通り越して、最初から激しい痛みが襲ってきた。 私は浴衣の裾が乱れるのも構わず、内ももをぎゅっと擦り合わせ、お腹を押さえた。帯が膀胱を容赦なく圧迫して、呼吸をするたびにおしこが漏れそうになる。下駄の鼻緒が指の間に食い込んで痛いけど、かかとを激しく上下させて耐えるしかない。顔は脂汗でベタベタになり、せっかくのメイクが崩れていくのが自分でも分かった。両手で帯の結び目あたりを強く掴み、体を丸めて涙目で耐えた。
「もう限界……人混みから抜け出さなきゃ」
私は彼氏に「ちょっと友達探してくる」と言い残し、混雑する屋台の裏手、河川敷の土手のスロープを下りた。 土手の下は街灯がなくて、草がぼうぼうに生い茂る真っ暗なエリア。花火がドーンと上がるたび、一瞬だけ周囲が明るくなる。その光と影のコントラストが、スリルをさらに引き立てる。 「ここなら誰も来ない……!」
私は足元が滑るのを草を掴んで支えながら、斜面の陰に身を潜めた。浴衣の裾をたくし上げ、帯に挟み込むようにして固定する。浴衣用の和装ショーツを太ももまで引き下げ、下駄の裏で斜面の土をしっかり踏みしめた。
ドーンという花火の爆音と同時に、力を抜いた。
「っ……あぁ……っ」
花火の音にかき消されるように、ジャーッとおしこが草むらに吸い込まれてっていく。 上空で弾ける大輪の光が、私の限界に達した体と、露わになった白い太ももを一瞬だけ照らし出す。見つかるかもしれないという恐怖、爆音の振動、そして一気に訪れる圧倒的な解放感。全身の力が抜けて、頭が真っ白になるほどの快感が脳を支配した。涙で濡れた顔で夜空を見上げながら、私はただその瞬間のスリルを噛み締めていた。
出し切った後、浴衣の裾を整え、下駄についた泥を払いながら、私は一人で小さく笑ってしまった。 あの爆音と光の中での逃避行。今でも夜空に上がる大輪の花火を見るたびに、あの日の草の匂いと、浴衣の中でギリギリまで耐えたあの狂おしいほどの興奮が昨日のことのように蘇るんだよね。
― この話は、これにて ―
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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