ローラー台3時間、トイレを我慢した自分へのレースレポート
屋外じゃなくて室内の話だが書かせてほしい。梅雨の週末、外は雨量20mm。Zwiftで3時間のグループライドに参加した。仮想ヒルクラムを含む75kmのコース、参加者800人。室内トレーニングの利点はトイレがすぐそこ、ドアまで5mにあること。のはずだった。
開始前にボトル2本を用意して、序盤から計画的に飲んだ。室内は発汗がえぐいから水分補給は正義だ。それ自体は間違ってない。間違ってたのは、3時間分の水分の行き先を考えてなかったことだ。
2時間経過時点、仮想ヒルクラムの入り口で集団から千切れかけた。パワーは240Wで頭打ち、心拍は155。そこに尿意が来た。第一波は無視できた。第二波は10分後、ペダリングのたびに下腹で水袋が揺れる感覚。ここで止まれば集団復帰は不可能。グループライドは待ってくれない。ボトル1.5本分の水分は確実に下に溜まってる。
おれは残り1時間を我慢する選択をした。結果として、これはおすすめしない。
第三波は登りの途中で来た。シッティングで踏むと膀胱が圧迫される。ダンシングすると腹筋が締まってもっとまずい。つまりどっちも地獄。太ももに力を入れれば入れるほど響く、膀胱と大腿四頭筋の板挟みという新種の苦しみを発見した。ラスト20分、パワーは出てるのに集中力が完全に尿意に食われた。画面のパワーグラフより自分の下腹の残量メーターの方が気になる。心拍158、膀胱の限界値98%。あと5km、あと3km、あと1kmのバナーが天の啓示に見えた。
ゴールした瞬間、クリートも外さずシューズのままトイレに駆け込んだ。SPD-SLのクリートで廊下を走るとカツカツカツと甲高い音が響く。家族に完全に聞かれてたし、フローリングに傷がついて妻に怒られた。トイレで感じた解放感と脱力は、正直レースの達成感を超えてた。座り込みそうになったのを便座の前でなんとか堪えた。
集団には残れたがQOLは千切れた。リザルトは800人中112位。膀胱は残り2%だった。次からは素直に止まる。誓いはレースのたびに立てているが、毎回同じ登りの入り口で崩れる自分がいる。
― この話は、これにて ―
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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