冷え切った体育館の講習会
木枯らしの吹く12月の午前10時、高校の体育館で行われた大学入学共通てすとの事前説明会でのことだ。暖房設備のない広い体育館は底冷えが厳しく、パイプ椅子に座る生徒たちは誰もが制服のブレザーの上からコートを羽織っていた。私は列の後方に座っており、前方の席の様子がよく見えた。……その時、斜め前の席に座っていた女子生徒が目に入った。
年齢は18歳の高校3年生。紺色のブレザーにチェックスカート、黒い厚手のタイツを穿いていた。髪はすっきりと一本のポニーテールに結ばれており、真面目にメモを取っていた。しかし、校長先生の長い講話が始まった頃から、彼女の様子に明らかな異変が現れた。
パイプ椅子の上で、彼女は両膝を限界までくっつけ、内ももを強く擦り合わせながらもじもじと身を捩り始めたのだ。手袋をはめた両手は、ブレザーの裾をちぎれんばかりに強く握りしめており、関節が白く強張っている。体育館の底冷えが、彼女の膀胱を容赦なく冷やしていたのだろう。額には冷や汗の粒が浮き上がり、きれいに整えられた眉は苦しげに八の字に歪んでいた。寒さで赤くなった鼻先とは対照的に、頬の血の気は完全に引き、時折、痛みに耐えるようにギュッと目をつぶっては、薄い唇を強く噛み締めていた。足元はローファーの中で爪先立ちになり、両脚を交互に持ち上げるような細かいステップを不自然に繰り返している。
彼女は、猛烈な尿意と戦っていた。説明会の重苦しい静寂と、ここで立ち上がって退席すれば全員の注目を浴びるという社会的な檻が、彼女をその席に縛り付けていた。頭の中では「あと10分……あと少しで終わる」と必死に念じているのだろう。しかし、尿意の波は容赦なく彼女を襲う。第二波、そしてより強力な第三波が押し寄せるたび、彼女の背中はピンと跳ね上がるように強張り、そのたびに小さく「はぅ……」と熱い吐息が口元から漏れていた。
私はその様子に目が釘付けになった。彼女が限界の尿意に耐えながら、タイツの股の部分をこっそり直そうとする仕草や、太ももをきつくクロスさせる動き。見てはいけない背徳感と、彼女の極限状態の気配に、私の喉はカラカラに渇き、胸の鼓動は激しく高鳴っていた。
説明会が終わり、起立の号令がかかった瞬間、彼女は立ち上がることができず、そのまま椅子に崩れ落ちるように座り込んでしまった。両手でスカートの上から股間を強く圧迫し、肩を激しく上下させて涙を流している。友人に両脇を支えられ、引きずるような内股の歩き方で体育館の出口へと消えていった。今でも冷たいパイプ椅子を見るたび、あの時の静かな体育館の冷気と、彼女の震える背中を思い出して胸が締め付けられる。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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